有力な外資系製品がひしめく中で存在感を示せるか
以上が、発表の概要だが、今回これらの製品を取り上げたのは、有力な外資系ソフトウェアがひしめくBI市場において、確固たる実績を持つ国産製品として新たな攻勢に打って出たからである。
同社のBI製品というと、現在ではMotionBoardが前面に出ているイメージがあるが、そのMotionBoardも、もともとはDr.Sumのフロントエンド部分を切り出して、情報活用ダッシュボードとして幅広い利用を狙ったものである。今では、両製品を合わせた導入実績は7000社を超えているという。
MotionBoardについては筆者もこれまで幾度かユースケースを取材したことがあり、経営層だけでなく現場の社員も活用している状況が印象的だった。まさしく「BIの民主化」を目指したツールである。
一方、企業においてBIといえば、かつてはデータ分析の専門家が使用しIT部門が運用する「エンタープライズBI」が中心だったが、その後、エンドユーザー(現場の社員)自身で分析やレポートの作成ができる「セルフサービスBI」が広がった。このセルフサービスBIも、BIの民主化を目指したものである。
セルフサービスBIの領域では、Tableau Software、Looker Data Sciences、Qlik Technologies、MicroStrategyといった米国の有力ベンダーが、それぞれ日本法人を通じて国内市場で激しい勢力争いを繰り広げている。また、昨年来、米国のクラウドサービス大手であるSalesforce.comがTableauを、GoogleがLookerを傘下に収めるなど、ダイナミックな動きも見られるが、そのエネルギーの源が「デジタルトランスフォーメーション(DX)時代に向けたBIのポテンシャル」にあるのは明らかだ。
そうした中で、ウイングアークのMotionBoardとDr.SumにはBIの国内市場でトップシェアを争い続け、さらに海外へもどんどん進出していってもらいたいものである。