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SpaceXのソフトウェアチームが語った「Crew Dragon」や「Starlink」--Reddit AMAで

Liam Tung (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2020-06-11 06:30

 SpaceXのエンジニアらは米国時間6月6日、RedditのAMA(Ask Me Anything:質問受け付けます)スレッドに登場し、衛星インターネット網「Starlink」の構築に向け、既に多くのコンピューターを宇宙に投入したという事実や、同社の「Dragon」宇宙船と「Falcon」ロケットには機械学習(ML)技術が使われていないことなどを明らかにした。

 SpaceXがこのところ毎月のように打ち上げているロケットには、Starlinkを構成するための60基の小型衛星が搭載されており、ロケット1基あたりに搭載されているLinuxコンポーネントの数は4000台にのぼっている。

 Elon Musk氏の率いる宇宙ベンチャー企業SpaceXは3日、再利用可能な「Falcon 9」ロケットを用いて衛星コンステレーション用の小型衛星60基を軌道に投入した。これにより同社の小型衛星の総数は480基を数えるまでとなり、米国全土をほぼカバーできる800基に至る道のりをさらに進めた。

 同社は、北半球の夏が終わるまでにこの衛星インターネットサービスのパブリックベータ版をローンチする計画であり、米国内で100万台のエンドユーザー向けターミナルを配備する承認を勝ち取っている。

 SpaceXは、既に米連邦通信委員会(FCC)から承認されている1万2000基の衛星に加えて最近、3万基の第2世代衛星による運用を申請した。

 Starlinkソフトウェアの責任者であるMatt Monson氏は「現在軌道上を周回しているこのコンステレーションには3万を超えるLinuxノード(そして6000基を上回るマイクロコントローラー)が搭載されている」と記している。

 「また、FalconやDragonと多くのLinuxプラットフォームインフラを共有しているため、軌道上でのテスト時間で年間180基分を超える恩恵を享受している」(Monson氏)

 今回のAMAはMonson氏の他に、SpaceXでフライトソフトウェアとサイバーセキュリティを担当しているJeff Dexter氏と、米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士であるBob Behnken氏とDoug Hurley氏を先週、国際宇宙ステーション(ISS)に送り込んだ有人用Dragon宇宙船である「Crew Dragon」のソフトウェア設計リードであるJosh Sulkin氏、Dragonソフトウェアチームを管理するWendy Shimata氏、有人試験飛行「Demo-2」のソフトウェア開発を率いるJohn Dietrick氏、Demo-2の「Crew Displays」ソフトウェアの作業を担当しているSofian Hnaide氏もホストを務めた。

 Sulkin氏は、これらのLinuxコンピューターには「PREEMPT_RT」パッチが適用されていることを明らかにした。PREEMPT_RTはLinuxのリアルタイムOS版を実現するためのイニシアティブの一環として、Red Hatのエンジニアが開発したものだ。

 またSulkin氏は、SpaceXではサードパーティーのLinuxディストリビューションを使用しておらず、分散コンピューターシステムを構成するハードウェアとのインターフェースに向けた複数のカスタムドライバーを搭載しているとコメントした。

 米ZDNetのSteven J. Vaughan-Nichols記者が報じているように、SpaceXのDragon宇宙船ではC++で開発されたフライトソフトウェアがLinux上で実行されており、船内のタッチスクリーンインターフェースには「Chromium」やJavaScriptが用いられている。

 Hnaide氏は、チーム内ではChromiumインターフェース用の、内製されたリアクティブライブラリーが用いられていると述べた。

 また、NASAの宇宙飛行士であるBehnken氏とHurley氏が使用するインターフェースと、Starlink衛星の間のクロス開発も実施されている。

 Starlink担当のMonson氏は「クルー向けディスプレイに由来するこのテクノロジー(特にマップとアラート)は、Starlink衛星の最初の2基(「Tintin」)用のUIの基礎となった」と述べた。

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