シトリックス・システムズは、新型コロナウイルス感染症に関するIT部門への影響を把握するために、中規模から大規模企業のIT部門リーダーを対象としたインタビューを実施し、その結果をまとめた。
これによると、回答者の72%は、テレワークへの急速な移行によってデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速していると答えた。4分の3を超える回答者は、今後も従業員が従来のオフィスに戻ることを望んでいないと考えており、回答者の62%は、その結果としてクラウドへの移行を前倒しで進めていると答えている。
この調査は、米国、英国、オーストラリア、カナダ、ドイツ、フランス、オランダの3770人のIT部門のリーダーを対象にした。回答者は金融サービス、ヘルスケア/ライフサイエンス、通信/メディアテクノロジー、プロフェッショナルサービス、製造、小売など業種に属している。
その他の結果としては、回答者の69%は従業員のテレワーク移行が驚くほど容易だったと答え、71%は導入したテクノロジーにより、対面したサポートをした場合と同等の共同作業が可能であるととしている。
さらに62%は、物理的なITインフラストラクチャーの縮小とクラウドモデルへの移行を検討しており、42%は、デジタルワークプレイスプラットフォームの導入を予想している。さらに44%は、長期的なテレワーク実施のためパブリッククラウドサービスを検討している。
一方で、48%の回答者は従業員の大半がテレワークを行う場合の事業継続計画が存在しないと回答し、61%はこの移行には困難が伴うと述べているとした。さらに70%は、従業員が自宅で仕事した場合の情報セキュリティに懸念を抱いており、54%は従業員が正式に許可されていないソフトウェアをインストールするケースが急増したとしている。23%は予定外のVPN停止が過去数週間の中で大きな問題だったと回答している。
大規模なテレワークへの移行はIT部門に大きな負担をもたらしており、回答者の77%は大きなストレスを感じていた。しかし、一方で77%はIT部門が現在、「会社にとって業務上必要不可欠な存在である」と見られているとしている。