Pure Storageは6月11日、年次カンファレンス「Pure//Accelerate Digital」をオンラインで開催した。合わせて発表した最新の「Purity//FA 6.0」ではファイルサービスの導入が加わり、2019年のイベントで発表した「モダン・データ・エクスペリエンス」を強化した。
最新のPurityでファイルサービスをサポート
冒頭で会長兼最高経営責任者(CEO)を務めるCharlie Giancarlo氏は、ここ数カ月で世界に大きな試練をもたらしている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に触れ、これを受けて技術へのニーズが変化しているとした。
Pure Storage 会長兼CEOのCharlie Giancarlo氏
「これまで以上に拡張性のあるリモート機能、自動化とコンソリデーション、柔軟性のあるインフラ技術を求めるようになった」とGiancarlo氏。パブリッククラウドとプライベートクラウドのハイブリッドモデルの必要性が高まり、自動化を進め、“アズ・ア・サービス”でデリバリーを加速する必要があると続けた。
これらの要件は同社の得意とするところでもある。「Pureは箱から出して2時間で完全な運用環境にすることができる。加えて全製品がモバイルからの管理をサポートしている」とGiancarlo氏は胸を張る。この3カ月間は、顧客やパートナーが最短記録でPureのシステムをインストールするのを支援したという。
同社は、オールフラッシュストレージベンダーとして誕生し、成長してきた。創業10年を迎えた2019年に打ち出した構想が「モダン・データ・エクスペリエンス」だ。Giancarlo氏は次のように説明する。
「基本的な考え方は、エンタープライズストレージをクラウド時代に変換させ、クラウドストレージでエンタープライズ機能が使えるようにすることだ。これによりデータストレージ担当者はデータサービス提供者に役割が変わる」
これを支えるのが、PureのデータストレージOS「Purity」だ。
イベントに合わせて発表した最新の「Purity//FA 6.0」は、「Active DR」とファイルサービスのサポートを導入し、モダン・データ・エクスペリエンスを進めた。1つ目のActiveDRは、継続的レプリケーション技術を土台とし、地理的に離れた拠点間でのアクティブ/パッシブなレプリケーション技術を搭載する。「ほとんどゼロ」のRPO(復旧時点目標)の継続的レプリケーションを実現するという。ActiveDRは、前バージョンで導入したアクティブ/アクティブのクラスター「ActiveCluster」に加わるものとなり、これらの選択肢を利用することで「FlashArrayとFlashBladeはデータセンター、さらにはパブリッククラウドでもデータを保護できる」(Giancarlo氏)という。
地理的に離れた拠点でアクティブ/パッシブのレプリケーションを行う「ActiveDR」
2つ目のファイルサービスは、2019年に買収したスウェーデンのCompuverdeのファイルアクセス技術により実現した。バイスプレジデントでFlashArray担当ゼネラルマネージャを務めるPrakash Darji氏は、「Compuverdeの持つファイルプロトコル、ファイルシステムをPurity 5の上に置いて展開することもできた」と述べた。
ネイティブに統合するという決断に至った背景として、「中断のないアップグレード、ダウンタイムゼロ、データマイグレーション不要などのPureの中核を維持するため」と説明し、「結果的に遠回りをして、(Purity 6.0として)FlashBladeで提供する管理やAPIを活用することにした」という。また、データの削減機能をファイル環境でも利用でき、ブロックとファイルの両方のデータで重複排除が可能という。「顧客は汎用のファイルシェアから高性能なアプリケーションまで様々なユースケースを展開できる」(Darji氏)
Purity 6では、ブロックプロトコルに加えてファイルプロトコルをネイティブに組み込んだ。
ファイル機能のサポートはPureの新コンセプト「モダン・データ・エクスペリエンス」を強化する