Microsoftは米国時間6月10日、「Windows 10 Insider Preview Build 19645」を「Windows Insider」プログラムの「Fast」リング向けに公開した。このビルドでは、「Windows Subsystem for Linux(WSL)2」用のLinuxカーネルがOSイメージから削除されている。
「Windows 10」のプレビュービルドからLinuxカーネルを削除するという動きは、現在ロールアウトが進められている「Windows 10 May 2020 Update」(「Windows 10 2004」)と歩調を合わせるものだ。
Microsoftは3月、「保守性」の改善を目的として、独自のLinuxカーネルをWindowsのOSイメージから削除することを明らかにした。これは、カーネルを最新の状態に保つことを確実にするために、そのアップデートを他のドライバーのアップデートと同様に「Windows Update」経由にするという考え方に基づいている。
Windows 10のユーザーは、自らが選択したLinuxディストリビューションを同カーネル上で実行できる。
また今回のプレビュービルドでは、AMDプロセッサーを搭載したPC上でのネストされた仮想化がサポートされるようになった。これにより、ITプロフェッショナルは仮想マシン(VM)上で「Hyper-V」コンテナーを使用できるようになる。Windows 10はこれまで、Intelプロセッサーを搭載したPC上でのみ、ネストされた仮想化をサポートしていた。
Microsoftはネストされた仮想化機能を「AMD Ryzen」と「AMD EPYC」の第1世代以降のプロセッサーでテストしたと述べている。LinuxカーネルVMのゲストサポートも今後、追加されるという。
また、ディスクのクリーンアップツールである「Storage Sense」(「ストレージセンサー」)は、以前のプレビュービルドで動作に変更が加えられ、クラウドプロバイダーと同期している場合、「Downloads」(「ダウンロード」)フォルダーの内容を自動的に削除しないようになっている。
前回のプレビュービルドには問題の修正が含まれていなかったものの、今回のプレビュービルドには、eMMCストレージから起動しているPCが休止状態から再開する場合にバグチェックが引き起こされるという問題の修正が含まれている。
またBuild 19645では、タスクバーのプレビューサムネイルが正しく描画されない問題と、特定のテキストフィールドをペンでタップした際に手書きパネルがオープンしないという問題にも対処している。
さらに、顔認証が既に設定されている状態で「Windows Hello Setup」から「Improve Recognition」(「認識精度を高める」)を選択した際にクラッシュするという不具合も修正されている。
同社によると、「Your Phone」を用いたミュージック/オーディオアプリのコントロール機能もすべてのユーザーに向けてロールアウトしているところだという。
同社は「スマートフォンから楽曲や音声を再生している場合であっても、2つのデバイスを代わる代わる操作したり、作業の流れを止めることなく、オーディオアプリに直接アクセスし、コントロールできるようになる」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。