FPGAのザイリンクス、アクセラレーターカード新製品--H.264やHDRをサポート - (page 2)

阿久津良和 田中好伸 (編集部)

2020-06-17 07:15

 U30やU50を搭載したオンプレミスのサーバーやクラウドを使用する際は、Xilinxが用意したソフトウェアも使用できる。AMDのサーバー向けCPUブランドの第2世代となる「EPYC Rome(7002シリーズ)」とAlveoの上にランタイムAPIやアクセラレーションAPIを用意し、動画や音声を記録、変換、再生するためのオープンソースソフトウェア(OSS)「FFmpeg」で映像や音声データを変換する仕組み。

 Behman氏は「お客さまからのフィードバックを見ると、ライブのトランスコーディング時はコマンドライン操作を望まれる」とFFmpegを採用した理由を説明した。また、Dockerコンテナ形式でライブストリーミング配信の「Wowza Streaming Engine」のウェブベースのインターフェースやオーディオ処理アプリケーション、広告挿入アプリケーションも提供する。

 CUIとGUIを両立させる理由は、「大企業のお客さまはコマンドラインではなくGUI操作を望まれるケース」(Behman氏)があるためだという。同ソフトウェアは単独サーバーや複数サーバー運用時はコンテナのオーケストレーションツール「Kubernetes」を活用している。

Xilinxのソフトウェアソリューションスタック(出典:ザイリンクス)
Xilinxのソフトウェアソリューションスタック(出典:ザイリンクス)

 Xilinxは一例として、32枚のアクセラレーターカード「NVIDIA T4」を搭載したサーバー4台と、8枚のU30を搭載したXilinxリアルタイムサーバーを比較して、ハードウェアコストは6分の1、電力コストは5分の1まで削減できると強調した。Mhojhos Researchの予測によると、ライブビデオストリーミング市場は2026年までに937億4000万ドルまで成長するという。

 Behman氏は「中国のライブビデオプラットフォームであるHuya.comは、ネットワーク帯域幅にかかるコストが2019年第4四半期に40%も増加。利用者の増加と動画品質の向上が原因と見られている。ストリーミングプロバイダーとして利益を上げるには至急の対策が必要だ」と自社のアクセラレーターをアピールした。

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