大阪府八尾市は、6月17日から開始する「八尾市事業者サポート給付金」のシステム基盤に業務アプリ構築PaaS「kintone」を活用。人工知能(AI)、光学文字認識(OCR)と連携し、職員の受付事務を軽減するという。同日、kintoneを開発、提供するサイボウズが発表した。
大阪府の給付金で対象外となる町工場などに向け、一律10万円を支給する八尾市独自の制度を運用。条件に合致するかを提出書類から市で審査する必要があるという。
オンライン、郵送で申請を受け付けるため、異なる書類の添付、添付漏れなどが予想されると説明。申請ミスの防止、郵送受付の転記作業削減など、迅速な処理と濃厚接触防止を目指したとしている。
ITベンダーのノベルワークス(大阪市西区)が支援し、システムを構築。オンライン申請では、必須項目の充足チェックに加え、機械学習を活用した「Google Cloud」のサービス「Vision AI」で確定申告書などの各種書類のフォーマット画像を学習。異なる書類添付の際にアラートを出せるという。
異なる書類の場合、エラーを表示する(出典:サイボウズ)
手書きが予想される郵送申請では、認識率が99%以上というOCRサービス「Tegaki」と連携。書類をスキャンすると、kintoneのデータベースにある氏名、住所などの該当項目に自動記入できるという。
審査する職員は正誤判定だけとなり、オンライン申請同様に審査できるとしている。
OCRでデータ記入までを自動化できるという(出典:サイボウズ)
八尾市とサイボウズは2018年8月、「八尾市とサイボウズ株式会社との持続可能な地域づくりに関する連携協定書」を締結。課題解決に向けて密接に連携、具体的な取り組みを推進し、八尾市の持続的発展を果たすとしている。