完全にリモートの仕事や在宅勤務のポリシーが、特にテクノロジー業界において増加している。451 ResearchのシニアアナリストであるRaul Castanon-Martinez氏は、一般に考えられているリモートワークの利点はその柔軟性であり、モバイルデバイスとクラウドベースのアプリケーションを活用することでリモートワークが可能になっている、と述べた。家にいても同じ仕事ができるとなれば、オフィスに出向くモチベーションは激減する。
昔ながらのやり方で人員を配置している企業の場合は、業務時間の一部に限って従業員にリモートワークを許可し、事前確認することから始めている、とCastanon-Martinez氏は語る。しかし同氏は、やがてフルタイムのリモートワークに移行する人が増え、「労働力の『Uber化』」につながっていくと考えているという。
確かに、Upworkの最新レポートでは、フルタイムで働く人の3分の1以上が今後10年間でリモートワークに移ると予想されている。現在は63%の企業で少なくとも一部の従業員がリモートワーカーとなっているが、大半の企業はリモートワークのポリシーを定めていない、と同レポートに記されている。
とはいえ、ポリシーがないという状況は驚くべきことではない。「暗黙のポリシーや非公式のポリシーの方が一般的だ」とCastanon-Martinez氏は述べる。「その理由はおそらく、リモートワークを始めて間もない段階の企業が、試行錯誤をして経験を重ねている最中だからだろう」。リモートワークはまだ新しいコンセプトであり、企業はこれに適応していく必要がある。
しかし、暗黙のルールは混乱を招きかねない。従業員がうまく業務をこなせるようにするには、働く場所がオフィスの中か外かを問わず、自分に求められることを把握する必要がある。リモートワークのポリシーが定められていないと、上司と部下との間で分断が生じるかもしれない。それは非生産的で無益なことだ。
(本記事は、TechRepublic Japanで2020年3月26日に掲載した記事からの転載です。続きはTechRepublic Japanでお読みいただけます)