Oracleは、Clinical One Data Collection Cloud Serviceを発表した。同サービスは、eClinicalテクノロジー関連サービスを扱う「Oracle Health Sciences」のソリューションとして提供される。
Clinical One Data Collection Cloud Serviceは電子的なフォームのほか、ウェアラブル端末、電子カルテ(EHR)、臨床検査など、さまざまなデータソースからデータを収集し、それらを単一の場所に集約する。治験実施医療機関や開発チームに対して、患者の使用経験、最終的にはその治療法の安全性や有効性の全体像を明らかにし、より良い決定が行えるようにするという。さらに統合されたプラットフォームとして、臨床試験における無作為化・治験薬の払い出し・患者データの収集を行うとしている。
Oracleによると、電子化が進行してデータソースの分散化が進む現在の臨床試験において、電子的データ収集システム(EDC)はもはや十分でないという。臨床試験の患者データは、従来のEDCシステムでは電子的なフォームで収集していたが、現在ではウェアラブル端末など無数の新しいデータソースから急速かつ大量に生成されている。こうした事情は治験費用を跳ね上がらせる原因となっており、この課題に対応するため同サービスは開発された。
Clinical One Data Collection Cloud Serviceは既に、新型コロナウイルス感染症の治療薬・ワクチンを対象とした試験を含む多くの臨床試験で利用されているという。簡単に設定できるため、あらゆる種類や治療領域にわたる臨床試験のニーズを満たすとしている。