在宅勤務に切り替えたことによって、IT部門の仕事量や、セキュリティ上の心配事は増えている。VPNや回線容量の問題や、リモートワーク中にスタッフがやってしまうセキュリティ的に危険な行為など、問題はさまざまだ。
ソフトウェア会社Ivantiが行った調査によれば、ITプロフェッショナルの3分の2近くが、在宅勤務に切り替わってから仕事量が増えた(平均で37%)と答えている。
リモートワークの問題でもっとも多かったのはVPNのトラブルで、回答者の4分の3がこの問題を挙げていた。2位以下には、ビデオ会議の問題、回線容量不足の問題、パスワードのリセット、メッセージングの問題などが続いた。
これらの問題はすべて、リモートワークの規模が大きくなったことで拡大している。ITプロフェッショナルの43%は、現在は従業員の4分の3がリモートワークを行っていると述べている。また調査対象の3分の1以上が、社員全員が在宅勤務で仕事をしていると回答した。
さらに、ITプロフェッショナルの3分の2(66%)は、セキュリティの問題が増えていると答えている。問題のトップ3は、悪質なメールの増加、規則を守らない従業員の行動、ソフトウェアの脆弱性の増加だった。
リモートで働く従業員のサポートを行うようになったことで、ITプロフェッショナルの仕事量は増えている。回答者の70%は、従業員に新たにVPN経由のアクセスを提供したと答えており、54%は追加のデバイスの調達、セットアップ、配布を行っていた。また、52%は従業員向けの「ハウツー記事」を書いている。
この調査は、4~5月にかけて、ITプロフェッショナル1600人以上を対象として実施されたが、レポートでは「従業員の在宅勤務に対応する必要がある中で、多くの企業では、仕事のやり方が完全に変わってしまった。これは特にIT部門で顕著で、ITプロフェッショナルは、自分たち自身がITサービスを自宅から提供できる体制に移行しながら、リモートで働く従業員をサポートする必要があった」と述べている。
ITプロフェッショナルは、仕事量が増えているにもかかわらず、在宅勤務には、通勤が不要なことや、勤務時間を柔軟に設定できることなど、多くのメリットがあると述べている。また8人に1人は、以前よりも生産性が向上したと答えている。これらの人々は、上司に何度もZoomの仕組みを説明する必要がなかったのかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。