日本オラクルは、伊藤忠ケーブルシステムが「Oracle Cloud Infrastructure」を採用し、同社が提供するケーブルテレビ(CATV)業界向け顧客管理システム「Symphonizer」のクラウドサービス基盤を構築したと発表した。
クラウド版のSymphonizer稼働後は、複数のユーザー企業から「3カ月未満の短期間でシステム更新を完了、クラウド構築により導入コストも抑えられた」「Symphonizerを従来の環境からクラウド版に移行したところ、月次処理にかかる時間が3分程度にまで短縮され、業務が効率化した」といった声が届けられているという。
同社は、CATVからCS/BS放送、地上波局、映画業界、ポストプロダクション、通信会社など幅広い分野・業界において、映像、通信、音響を専門とするワンストップソリューションプロバイダーとしてサービスを展開している。Symphonizerは、顧客、契約、機器、工事、請求、入金管理、経理計上をはじめとする基幹機能に加え、CATV業務全般に関わる機能を備えているという。
Symphonizerのユーザー企業からは昨今、CATV事業のサービス多様化に伴い、その変化や提供サービス拡大への柔軟な対応、ハードウェアの障害などによるダウンタイムの最小化、管理コストの低減など、多くの要望が上がっていた。
そこで同社は、オンプレミスで提供していたSymphonizerをクラウド化することにした。複数のパブリッククラウドを比較検討した結果、クラウドサービス基盤としてOracle Cloud Infrastructureが選定された。「Oracle Cloud」の東京と大阪リージョンを活用し、全国のCATV事業者にSymphonizerのクラウド版を展開していく。
Oracle Cloud Infrastructureを選定した理由には、性能やコスト効果のほか、CATV事業者に月額定額課金を設定できる変動の少ないIaaS(Infrastructure as a Service)料金体系、セキュリティの向上や運用管理の複雑さを軽減するコンパートメント機能が挙げられている。コンパートメント機能はOracle Cloud Infrastructureのリソースをグループ化・セグメント化するもので、IDベースのアクセス管理でクラウド管理者による厳密な管理を可能にするという。