MTDCを選択する際に重要なこと
MTDCを選ぶときに重要な要素は場所です。遅延の低減と帯域の確保はアウトソーシングを決める上で重要な要件であり、企業は近隣のデータセンターを選択する必要があります。もし企業が国外のMTDCにアウトソーシングした場合、接続速度の低下を招き、不要な遅延が発生しかねません。最終的にはエンドユーザーの不満につながり、ビジネス自体を失う可能性があります。
インフラストラクチャーとしての視点では、スケーラビリティーが重要になります。データセンター内におけるスケーラビリティーとは、単純により高度なテクノロジーとアプリケーションへの移行を可能とすることです。これらは将来、顧客が必要とする帯域幅と伝送速度を満たすための重要な要素になります。データは絶え間なく生み出され、絶え間なく技術が進歩していく中、ゼロレイテンシーとデータへのリアルタイムアクセスに対する顧客の要求も高まっています。
通常、MTDCはさまざまなサービスと通信キャリアのオプションを提供しています。企業が高速伝送を必要とするサービスを提供しているのであれば、ビジネスにおいてその部分だけをアウトソーシングすることも可能です。一方、ストレージのみが必要な場合には、別のMTDCの方がその企業のニーズに適している場合もあります。多くの企業において、一つのMTDCだけでニーズを満たすことは難しく、複数のMTDCを活用した方が適切な場合もあります。1つのMTDCにこだわらないことも大切なのです。
最後に、ネットワークと物理的なセキュリティは、MTDC施設を選択する上で非常に重要な要素です。アウトソーシングされている企業のデータは、不適切なアクセスから確実に保護されている必要があります。例えば、セキュリティゾーンが階層化された施設であれば、許可された担当者のみが特定のネットワークエリアや、フェンスやロックなどの物理的なバリアで保護された特定のエリアにアクセスすることが許可されています。また、CCTV(監視カメラ)やその他の火災や洪水などの緊急事態を検知するモニタリングシステムを備えていることを確認する必要があります。
セキュリティとモニタリングシステムの整備状態は、そのMTDCが顧客のデータをどのように保護し、どのようなセキュリティをサポートするか示唆します。MTDCは通常、これらの重要性を考慮し、ビジネスの必須事項としてセキュリティに取り組んでいます。
MTDCを選択する際、付加的なサービスについても考慮する必要があります。典型的なハードウェア/ソフトウェアサービスに加え、地域・国・国際的な規制順守に関する専任チームを設置し、企業が規制やその他の業界の要求を確実に順守できるように幅広いコンサルティングサービスを提供しているMTDCもあります。このようなサービスは顧客が個人データを管理するときに重要になってきます。
企業規模の大小にかかわらず、膨大なデータを活用することは容易なタスクではありません。コンピューティングニーズをMTDCに移行することはデータ管理の負担を軽減し、運用コストを削減するものです。“フューチャーレディー”、つまり未来への準備に備えたMTDCはスケーラビリティーに優れ、フレキシブルでモジュール化され、そして厳しいSLAを提供することで、データセンターのアップタイムを最大化し、クライアントの安心感を高め、迅速な高密度アプリケーションへの対応を可能にします。
図2:顧客のネットワークが通信サービスプロバイダーネットワークに相互接続するMDA(Main Distribution Area)(出典:CoreSite)
図3:ネットワーク、コンピューティング、ストレージ機器のために企業がMTDC内のスペースを借りる一般的なケージエリア(出典:CoreSite)
Corningは光ファイバーの先駆者として、30年以上にわたりデータセンター向けのソリューションを提供してきました。MTDCオペレーターだけでなく、MTDCに進出する企業とも緊密に連携して、屋外プラントやコロケーションデータセンターの施設内に配置された、集中的にキャリア回線などを引き込む「ミートミールーム」、メインの配電エリアやケージエリアアプリケーション向けの幅広いソリューションを提供しています。これらのソリューションは、MTDCオペレーターに柔軟でスケーラブルなネットワークバックボーンを提供し、ケージ領域内のビジネスのネットワーク機器にシームレスに接続して、コンピューティングとストレージの迅速な導入を実現します。