本記事は楽天証券が提供する「トウシル」の「TOP 3分でわかる!今日の投資戦略」からの転載です。
今日のポイント
- 8月の優待銘柄には小売業の人気銘柄多いが、コロナ危機の直撃もあり要注意
- 8月に優待の権利が確定する銘柄:人気トップ10
- コロナ危機でも西松屋チェーンは好調
- 人気トップ10による四半期業績の推移
これら4点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。
今回は8月の人気優待銘柄へ投資する際にアナリストの視点から注意すべきと考えることをお伝えする。
8月の優待銘柄には小売業の人気銘柄多いが、
コロナ危機の直撃もあり要注意
8月は2月決算銘柄の中間期末だ。また、8月決算銘柄の本決算にも当たる。2月決算・8月決算の銘柄には、個人投資家に人気の高い小売業の優待銘柄が多数ある。業績が長期に安定しており、優待魅力の高い銘柄を選別して投資していくことを検討したい。
ただし注意すべきことがある。小売業には、コロナ危機の直撃で足元の売上・収益が大きく落ち込んでいる銘柄が多数あることだ。中長期的に収益成長が期待される勝ち組の小売企業でも、短期的にはかなりひどい落ち込みになっていることもある。
足元の落ち込みがどのくらい深刻か、3~5月決算で確認してから投資を検討した方がいいかもしれない。
8月優待銘柄の3~5月期決算は、例年だともう発表が始まっている。3~5月決算は、例年は遅くとも7月15日までに発表になる。ただし、2020年はコロナ危機の影響で7月15日までに決算が発表できない企業もあるかもしれない。
そもそも2020年はコロナ危機の影響から、2月決算の小売業で今期(2021年2月期)の業績予想を非開示としている企業が多数ある。例年と異なり通期の業績予想がなく、しかも第1四半期(3~5月)の実績も発表されていない状況で、優待の魅力だけで投資銘柄を決めるのはリスクが高いかもしれない。