LIXILグループ(江東区、連結従業員数7万4598人)はクラウド型“体験(エクスペリエンス)”データ分析基盤「Qualtrics Experience Management Platform」を採用した。製品を提供するクアルトリクスが7月7日に発表した。
LIXILグループは、水回りや住宅用建材などの製品をINAXやGROHE、American Standard、TOSTEMなどのブランドをグローバルで展開。世界150カ国で事業を展開しており、連結従業員数は7万4598人(2020年3月末)。
同社グループは、従来から社内コミュニケーションの活性化やエンドユーザーとの接点強化を図る取り組みの一環として、デジタルツールの活用を推進してきたという。今回、従業員やエンドユーザーの声を包括的に収集、分析し、一元管理することで従業員エンゲージメントの向上や顧客志向の徹底を図ることを目指すとしている。
採用したのは、従業員エクスペリエンスを分析するための「Qualtrics EmployeeXM」と顧客エクスペリエンスを分析するための「Qualtrics CustomerXM」。Experience Management Platformで一括管理する。
2012年度からグローバルな従業員を対象とした従業員の意識を継続的に調査してきているが、外部の調査会社による従来の手法では、時間とコストの面で課題があり、リアルタイムで従業員のニーズを把握することが困難と説明。EmployeeXMを活用することで設問の設定からサーベイの配布と進捗管理、結果分析という一連のプロセスを自社で完結できるようになると説明。調査の自由度が高まっただけでなく、かかる時間も約3カ月から約2週間に短縮するなど業務効率の改善につながったと解説している。
LIXILの取締役で専務役員、最高人事責任者(Chief People Officer)のJin Montesano氏が以下のようにコメントしている。
「従業員が毎日その能力を存分に発揮できるような職場作りを推進してきました。従業員を取り巻く環境が急速に変化する中で、よりタイムリーに従業員の声を収集し、課題を分析し、迅速に対策を講じることが非常に重要です。人事部門におけるデジタル化の一環としてEmployeeXMを導入したことで、国内従業員2万4000人を対象にした在宅勤務に関する調査では、従業員の声を約2週間で収集し、タイムリーに人事施策に反映することが可能になりました。今後は国内だけでなく海外で働く従業員の意識調査の実施も視野に入れ、デジタルを活用した戦略的なアプローチによって、社内コミュニケーションの活性化、人材育成や従業員エンゲージメントの向上による組織力の強化につなげてまいります」
同社のマーケティング部門でも、エンドユーザー視点で差別化された商品、サービス、ビジネスモデルを構築する戦略を進めている。その一環として、ショールームでCustomerXMを導入し、より詳細なエンドユーザーの声をリアルタイムで分析できるようになったという。各ショールームでは、分析結果を接客業務改善に生かし、顧客エクスペリエンス向上に努めていると説明する。
LIXILの取締役で専務役員、最高デジタル責任者(Chief Digital Officer)の金澤祐悟氏が以下のようにコメントしている。
「マーケティング部門では、エンドユーザーに寄り添い、そのニーズを的確に捉えて応えることができるよう、デジタルトランスフォーメーションを推進しています。その一環として、CustomerXMを導入し、まずは実際に商品を利用されるエンドユーザーとの重要な接点である国内ショールームにおいて、利用を開始しました。多様化するエンドユーザーの声をリアルタイムで収集し、当社の商品やサービスに関するニーズや課題を探ることで、エンドユーザーにもっと近づき、さらなる差別化を実現していきます」