伊藤忠商事は、海外子会社の約50社に統合基幹業務システム(ERP)「SAP S/4HANA Cloud」を導入する。2003年に導入した既存のSAP ERPシステムは、多くのカスタマイズを繰り返した結果、さらなる機能拡張や機能強化が難しくなっていたという。
伊藤忠商事は、本社システムをS/4HANAに切り替え、2018年5月に本稼動している。今回は、情報システム部門が主導のもと、多種多様な業態を擁する海外現地法人と事業会社を中心に実施する。また、SAPが提供するサポートサービス「Premium Engagements」を採用することで、同社のサービス部門がシステムの導入や活用を支援する。
今回は新規に導入する方式を採用。標準への準拠を方針としたFit to Standardを基本に、SAP S/4HANA Cloudとデータ分析「SAP Analytics Cloud」をベースとしたデジタル変革(DX)基盤の構築を目指す。また、既存のプログラム資産を最大限に利用するため、SAP本社の IBSO(Innovative Business Solution Organization)チームと連携してカスタム開発にも取り組む。
データ移行ツール「SAP Advanced Data Migration by Syniti, cloud edition」も併せて採用し、既存SAP ERPからS/4HANA Cloudへのデータ移行・データ管理のプロセスを効率化することを目指す。