松岡功の一言もの申す

アナリティクスを活用したDX向けコンサルティング事業に乗り出した日本テラデータの挑戦

松岡功

2020-07-09 11:08

 創業40年を超えるIT企業にとって、新たなビジネスを創出するようなデジタル変革(DX)事業の推進は大きなチャレンジだ。そんな米Teradataの日本法人である日本テラデータが、アナリティクスを活用してDXに向けたコンサルティング事業へ本格的に乗り出した。果たして勝算やいかに――。

DX事業を推進、ターゲットはIT部門からLOBへ

 日本テラデータが先頃、「新型コロナによる消費者行動と意識への影響に関する最新調査結果と分析」と題した記者説明会を開いた。その調査結果と分析の内容については関連記事をご覧いただくとして、筆者はこの会見自体に違和感を抱いた。というのは、大企業向けデータウェアハウス(DWH)市場を長年に渡ってリードしてきた同社が、門外漢であろう消費者意識調査について会見を行ったからだ。

 会見で説明に立った同社テラデータ・コンサルティング本部アナリティクス・プラクティス ディレクターの宮津和弘氏はその点について、「データの管理・活用を生業とする当社は、アナリティクスによるコンサルティングにも注力しているが、これまでは顧客企業のIT部門のニーズに応じて内部データを中心とした分析を行ってきた。しかし、DX時代を迎え、これからはLOB(Line of Business:ビジネス部門)のさまざまなニーズにも対応していく必要が出てきた。今回の発表は、当社でそうした調査や分析が行えることをお伝えする第一弾のアクションだと受け止めていただきたい」と説明した。

 これを聞いて筆者の頭に2つの疑問が浮かんだ。DXとは縁遠いイメージの同社がこんなアクションを起こす背景には何があるのか。そこで会見の後日、宮津氏とともに、今回のアクションのもう一人のキーパーソンである同社テラデータ・コンサルティング本部アナリティクス・プラクティス ビジネス&ソリューション ディベロップメント マネージャの豊冨聡氏に取材の機会を得たので、背景の動きについて聞いてみた。(写真1)

オンラインにて取材。日本テラデータの宮津氏(左)、豊冨氏(右上)、筆者(右下)
オンラインにて取材。日本テラデータの宮津氏(左)、豊冨氏(右上)、筆者(右下)

 まず、1つ目の疑問は、今回のアクションは同社にとってDXに向けた新しい事業ではないのか。これに対し、宮津氏は次のように答えた。

 「LOB向けにマーケティングなどにも対応したアナリティクスを活用したコンサルティング事業へ本格的に乗り出した形だ。LOBに向けたDX事業をスタートさせたと受け取っていただいていい。そのために2020年初めから新しい組織も設けた」

 新組織は、豊冨氏が率いるビジネス&ソリューション ディベロップメントというチームのことである。ちなみに、宮津氏はコンサルティング本部アナリティクス部門のリーダーで、豊冨氏はその傘下の新設チームリーダーとなる。興味深いのは、両氏とも同社に入社して1年以内で、これまでマーケティングデータ分析において豊富なキャリアを積み重ねていることだ。つまり、両氏の加入が同社にとってDXへの本格的なチャレンジ開始といえよう。

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