トップインタビュー

「変化し続ける事業会社」を体現するパイオニア--デジタル責任者の心意気

國谷武史 (編集部)

2020-07-10 06:00

 電機メーカーとして82年の歴史を持つパイオニアは、カーエレクトロニクスを中心に、2000年代初頭は世界で初めて製品化したDVDレコーダーなどのホームエレクトロニクスでも急成長を遂げた。しかし、市場の競争激化とともに現在は経営再建を進めており、カーエレクトロニクスとデータ活用を通じた新たな成長に向けて変革の途上にある。4月1日に同社のチーフデジタルオフィサー(CDO:最高デジタル責任者)に就任した石戸亮氏に、変革の取り組みやこれからのパイオニアが目指す姿を聞いた。

 同社では、2015年頃からクラウドを活用した情報サービスや運転支援サービスなども本格化させている。香港の投資ファンド、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジアの出資を受けて2019年に非上場会社となった。主力事業は、カーナビなどの車載器の市販やOEMを手掛ける「モビリティプロダクト」、石戸氏が参画する情報サービスの「モビリティサービス」、自動車技術開発などの「自動運転」、そして音響機器やPC周辺機器などを開発・生産する「その他」の4つがある。

--どのような領域を担当していますか。

 私が所属するモビリティサービスカンパニーには、パイオニアのデータソリューション事業と、子会社でデジタル地図を提供しているインクリメントPなどがあります。複数の事業体をまたがっていますが、データソリューション事業では先進技術を利用した運転支援の「Intelligent Pilot」や営業用車両などの運行管理を支援する「ビークルアシスト」があり、主力になっています。インクリメントPは、パイオニアグループの社内ベンチャーとして設立され、25年にわたってパイオニアのカーナビに搭載する地図データを開発し、現在ではそのデータを外部にも提供するビジネスを手掛けています。

パイオニア モビリティサービスカンパニー チーフデジタルオフィサーの石戸亮氏
パイオニア モビリティサービスカンパニー チーフデジタルオフィサーの石戸亮氏

 これらモビリティサービスカンパニーのビジネスを相木(取締役兼常務執行役員モビリティサービスカンパニーCEOの相木孝仁氏)が所管し、私はその下で組織横断的に活動しています。私には4つのミッションがあり、1つはハードウェアビジネスからサービスやデータ活用ビジネスへの変化を推進すること、もう1つはデータを活用したアクティベーションの拡大です。また、マーケティングコミュニケーションやコーポレートにおけるデジタルの活用と、生産性をより高めていくための働き方やツールの活用、チェンジマネジメントがあります。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  5. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]