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「ストレージをコモディティーとは見ていない」--ピュア・ストレージのCEO

末岡洋子

2020-07-14 06:30

 オールフラッシュストレージや無停止アップグレードなどで業界に挑戦を続けてきたPure Storageが好調だ。6月に開催された年次イベントでは最新のFlashArray OS「Purity 6」を発表、ハイブリッド戦略で重要となる「Cloud Block Store」は、Amazon Web Services(AWS)に加えてMicrosoft Azureもサポートした。同社の最高経営責任者(CEO)を務めるCharlie Giancarlo氏に、サブスクリプションモデルをはじめとした今後の戦略について聞いた。

--業績が好調だ。成長はどこから来ているのか。

Pure Storage 最高経営責任者のCharlie Giancarlo氏
Pure Storage 最高経営責任者のCharlie Giancarlo氏

 新型コロナウイルス感染症の影響はあったが、2021会計年度の第1四半期(2020年2~4月)は、前年同期比12%増で売り上げを成長させることができた。一部で契約を遅らせるなどの動きがあった一方で、緊急に設備を強化する企業もあった。テレワークやオンライン教育のインフラのための投資、ウェブトラフィックの急増への対策などが目立った。われわれの製品はインストールや設定が容易で、すぐに使えるという側面も後押しになった。その結果、ブッキング(予約、契約)は24%で増加している。サプライチェーンも最小の影響に止まっており、緊急の出荷にも応じられた。顧客の非常事態を支援できたことを誇りに思っている。

 われわれは市場より20~30%高速に成長しており、市場シェアを拡大してきた。競合の多くが前年同期比でマイナスになったが、われわれは難しい時期でも継続してシェアを増やすことができた。

--サブスクリプションも好調だ。現在の売り上げは3分の1をサブスクリプションが占めている。この比率は今後3~5年でどのように変わると予想しているか。

 サブスクリプションサービスも順調に伸びている。資本金や現金支出費用を懸念する顧客に訴求している。クラウドにワークロードを移行させるという長期的な視野を持ちつつ、現在の危機に対抗するという点で魅力的な方法になっている。サブスクリプション比率は今後3~5年で50%に達すると予想している。

--ストレージのサブスクリプションは他社も提供している。Pure Storageの差別化は何か。

 幾つかある。1つはわれわれが、オンプレミスでサブスクリプションを提供する唯一のベンダーという点だ。競合が提供しているサービスはリースの一種に過ぎないが、われわれの「Pure as a Service」は真の従量課金だ。顧客が長い期間にわたってわれわれの製品を使うことにコミットしており、顧客は使った分だけ支払えば良い。また、オンプレミスとクラウドのストレージをまとめるサブスクリプションであり、容量や場所を問わずわれわれが顧客に変わって管理する。これも他社との違いだ。

 長期的な差別化としては3つがある。1つは簡単なオペレーションになる。われわれが提供するのは複雑で高性能なものだが、iPhoneのようにシンプルに使えることを目指している。2つ目は「Evergreen」だ。顧客がオンプレミスでわれわれの製品を使っている場合、10年後も最新のソフトウェアとハードウェアを使うことができる。顧客は環境に障害を与えることなく、最新の技術を使うことができる。フライト中に機体のエンジンを最新のものに交換するイメージだ。

 3つ目は「モダンデータエクスペリエンス」だ。2019年のイベント「Pure//Accelerate」で発表した新しいビジョンで、クラウドの要素をオンプレミスにもたらす。ストレージ技術の多くがいまだに物理的で、特定のサーバーに取り付けるというのが現状だ。われわれはAPIで管理できるストレージアレイを提供する。高速なネットワーク経由でサービスがアプリケーションに届く。モダンデータエクスペリエンスの世界では、アプリケーションはシンプルなAPIコールを利用して、数分で必要なストレージやデータリソースを得られる。

 われわれはDell EMC、Hewlett Packard Enterpriseなどと競合しているが、他社がストレージをコモディティーとして扱っているのに対し、われわれは繁栄し発展する技術として見ている。ここも大きな違いだ。

--モダンデータエクスペリエンスのビジョンの下、今年(2020年)のイベントではファイルサービスなどを発表した。次のステップはどうなり、データストレージ担当者の役割はどのように変化するのか。

 ストレージアレイでリソースを共有できる機能などを考えている。モダンデータエクスペリエンスの実現には2~3年を要するだろう。少しずつ成果を出しており、顧客は既にメリットを享受できる。

 データストレージ管理者は今後、オーケストレーションの役割が強くなるだろう。われわれがストレージ、ソフトウェアなどの“原材料”を提供し、管理者がストレージクラスのセットを構築してエンドユーザーに提供する。そこでは価格性能比に加え、データの回復力、バックアップなどさまざまな要素を考える必要がある。ディスクを管理するだけではなくなり異なるマインドセットが必要になる。

--パブリッククラウドとの連携を実現する「Cloud Block Store」では、AWS向けの提供開始から1年が経ち、Microsoft Azure向けのベータ版提供も開始した。これまでの成果は。

 顧客の反応は良い。主にテスト・開発、災害復旧の2つの用途で使っている。Azureも同じような用途になると思っているが、特徴としてエンタープライズアプリケーションに使っているところが多いようだ。Google Cloudについても2021年に何らかの発表ができると予想している。

--日本市場をどう見ているのか。

 重要な市場だ。市場規模も大きく、ここでわれわれはシェアを増やしている。日本の外付け型ストレージ市場が4.3%縮小する中、Pureは前年同期比37.5%の成長を達成した。日本はクラウドではやや遅れているが、「Pure as-a-Service」などのサービスモデルはこれからクラウドへの移行を本格化しようという日本の顧客に訴求できると期待している。

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