ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)事業サービスを展開、札幌、東京で大小2つのコールセンターを運営するというマイナビダイレクト(千代田区、従業員数97人)は、自社の現状を紹介。

千葉昭彦氏
同社 CSソリューション部で部長を務める千葉昭彦氏は「バックアップを中心に20席ほどを運営する東京は、稼働自体も少なく、セキュリティ要件も低かったので簡単にテレワークに移行できた」と、コロナ禍でのスムーズな在宅体制への移行をアピールする。
一方、200席ほどを常設する札幌では未だ移行していないという。「在宅勤務の場合、個人や顧客の情報をどう扱うかを取り決める必要が発生するが、(委託元の)企業に応じてセキュリティポリシーが異なる」(千葉氏)。技術的、法律的な支障はないものの、複数窓口の運営に紐付く課題が発生していると説明する。
北海道コールセンター内でのソーシャルディスタンス確保、稼働率の低下などを検討しながらも、受託する仕事のパフォーマンスは下げられない。そこで同社が着目したのが、ジェネシスとGoogleが連携して提供する「Rapid Response Virtual Agent(RRVA)プログラム」だ。
Genesys Cloudユーザーは、Googleのコールセンター向け人工知能(AI)を活用したマルチチャネル、24時間無休のバーチャルエージェント「Contact Center AI」を7月31日まで無償で追加できるというプログラムで、オンプレミスユーザーの場合は90日間のシーズンライセンスとして購入できる。問い合わせの増加に対応できるという。
「コロナ禍で問い合わせ数が増加し、従来の“応答率”ではなく、複数回問い合わせがある顧客への“対応率”を重視する傾向が顕著になってきた。コールバックなどの工夫で向上に務めているが、(受託元で別途用意する)特定のサービス専用の電話番号やメールフォームなど、別窓口への誘導といった比較的簡単な業務も多い。AIボットを活用し、人の対応が必要な問い合わせにより注力したい」(千葉氏)

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エコシステムにも注力
説明会では、Googleのほか5月20日に発表したZoom Video Communicationsとの連携も紹介。Genesys Cloudを軸に、自社の顧客をプロフィール、セグメントなどではない一個人として認識する“真のパーソナライゼーション”をすべての企業に提供するという新コンセプト“Experience as a Service”の道筋を説明する。
「サービス開発に250億円を投資、173の新機能をリリースした昨年に続き、今年も同程度投資する。それぞれのパーツに最新技術を活用しつつ戦略パートナーとのエコシステムでさらに強固にし、センター従業員の満足度、顧客との接触を向上させる」(リッチー氏)

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