NTTドコモは、ISPサービス提供基盤「CiRCUS」「MAPS」を含むシステムで利用する1万以上の機器の開発や運用を自動化するために、レッドハットの「Red Hat Ansible Automation Platform」を導入する。2022年までにコストと作業工数を半減させるという。
Red Hat Ansible Automation Platformは、大規模システムの運用などを自動化する製品。サーバーやネットワーク、ストレージ、クラウド環境、セキュリティ対策、アプリケーションの構成管理、プロビジョニング、デプロイなどのITプロセスを自動化する。企業は複雑なIT環境の運用負荷などを軽減しダウンタイムを削減できるとする。
ドコモがAnsibleを適用するCiRCUS/MAPSのシステムは、個人向けインターネット接続サービスの提供基盤。2015年にレッドハットの「Red Hat OpenStack Platform」を使ったクラウド基盤として構築されており、運用効率化に向けて同じレッドハットのAnsible Automation Platformを導入しやすいこともあった。
ドコモでは、ストレージやサーバー、ネットワーク、OSのセットアップや更新、設計などのインフラ開発作業を自動化してデリバリーに要する期間を短縮させる。自動化と社内制度やプロセスも見直し、今後数年間でこの期間を半分以下できる試算だという。継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)によるインフラ運用ライフサイクルを実現することで、2021年には今回の投資費用を上回る効果を見込んでいる。
現在の同社は、まず自動化に向けてOSのインストールや仮想マシンの払い出し、アプリケーションのテストからデプロイまでの作業手順をPlaybook化させており、レッドハットのコンサルタントも支援しているという。