米ZDNet編集長Larryの独り言

Google Cloudの成熟がみえる、新サービスと戦略の充実

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2020-07-17 06:30

 Google Cloudは、規制産業などをターゲットとした製品ポートフォリオ「Confidential Computing」を提供する計画や、マルチクラウド環境でのアナリティクスを実現する製品「BigQuery Omni」を発表した。これらは、最高経営責任者(CEO)であるThomas Kurian氏の下で、同社のサービスが成熟してきたことを示している。

 18カ月以上にわたって同社の指揮を執ってきたKurian氏は、マルチクラウド環境、デジタルトランスフォーメーション、特定業界向け製品を中心とした戦略を定め、「BigQuery」「Anthos」などの製品を通して進めてきた。今回発表された「Confidential VM」も、そのような戦略を実現するサービスの1つとなる。

 「Google Cloud Next '20: On Air」で紹介された顧客のリストを見れば、Google Cloudが着実に歩みを速めていることが分かる。Deutsche Bank、Goldman Sachs、VerizonRenault、Procter & Gambleなどの企業は、どれも重要な顧客だ。米国時間7月15日にスタートしたGoogle Cloud Next '20: On Airは、バーチャルカンファレンスとして9週間にわたって続く予定になっている。

 Kurian氏はブログ記事で次のように述べている。

 Google Cloudのミッションは、データを活用したイノベーションによってデジタルトランスフォーメーションを進め、ビジネスを再構築する顧客の能力を高めることだ。私たちは顧客を支えるために主に3つの機能を提供している。その3つとは、世界規模で分散したサービスとしてのインフラストラクチャー、デジタルトランスフォーメーションプラットフォーム、Googleの先端的な人工知能(AI)と機械学習を活用した業界特化型のソリューションだ。さまざまな業界の企業がGoogle Cloudに信頼を寄せ始めているが、それは私たちが、現実のビジネス課題を解決する、他では得られないテクノロジーを提供しているためだ。

 Google Cloudの年間売上高ランレートは100億ドルを超え、Amazon Web Services(AWS)とMicrosoft Azureに次ぐ業界第3位につけているが、いくつかの重要な業界ではそれ以上の脅威になっている。例えば小売業界では、Amazonの競合問題もあって、Google Cloudはかなり健闘している。また金融サービス業界と医療業界も、Google Cloudの機械学習やAIに関する優れた能力が評価されて、同社の中核市場となっている。

 一方で同社は、エンタープライズ顧客を獲得するための基本も充実させてきた。Google Cloud North AmericaのプレジデントKirsten Kliphouse氏によれば、同社は市場参入戦略、多数の役員の採用、第一線の営業担当者の強化、プレミアサポートに投資してきたという。

 Kliphouse氏は、「私たちはまた、契約を簡素化し、SAP、VMware、Oracle、あるいはWindowsでミッションクリティカルなワークロードを動かしているさまざまな企業をサポートしている」と述べ、インテグレーションパートナーとしてDeloitteAccentureなどの名前を挙げている。

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