筆者のようなMicrosoftの動向を追っているメディア関係者は、何年も前から同社がいずれWindows PCの仮想型サービスを本格的に提供すると予想していた。どうやらそれが、早ければ2021年の春には実現しそうだ。
提供:ZDNet
Microsoftは現在、この仮想型サービスを「Cloud PC」と呼んでいる。Cloud PCは、(少なくとも当面の間は)ローカルPCにインストールされたWindows(とOffice)に取って代わるわけではない。この製品は、基本的にシンクライアントのように利用でき、WindowsとOfficeが使用できる、同社やその他のPCメーカーが製造したWindows PCを求めている顧客向けのものだ。Microsoftが仮想的に提供する、その他のソフトウェアが使用できる可能性もある。
筆者は、Microsoftの求人サイトに米国時間6月5日付けでCloud PCチームのプログラムマネージャーを募集する求人情報が掲載されていたのを発見した。そこに書かれていたCloud PCに関する説明は、特に詳しいものではなく、Microsoftの仮想化技術戦略を追いかけている者にとっては驚くようなものでもなかった。
求人情報の説明には「Microsoft Cloud PCは、Desktop as a Serviceを提供する、『Windows Virtual Desktop』上に構築された戦略的な新製品。Cloud PCは、法人顧客にクラウドベースで弾力性が高い最新のWindows体験を提供し、顧客組織がよりシンプルで拡張性が高い形で、常に最新の状態を維持することを可能する」と書かれている。
そのページによれば、Cloud PCは「Microsoft 365」を通じて提供され、料金はユーザー単位の定額料金になる予定だという。この価格設定は重要だ。「Windows Virtual Desktop」の料金はAzureのリソース消費量によって変わる仕組みになっているが、Cloud PCは定額のサブスクリプション料金で利用できるようになりそうだからだ。
Microsoftは最近、何らかの仮想化PC製品を提供しようとしていることを示唆する情報を何度か漏らしている。2月には、Windows Virtual Desktopのグループプログラムマネージャーを務めていたScott Manchester氏が、新たに「Cloud Managed Desktops(クラウド管理デスクトップ)」のグループプログラムマネージャーに就任している。筆者は、このチームとWindowsのエンジニアリングチームが、Cloud PCのビジョンと製品を手掛けているのではないかと考えている。
一番気になるのは、Cloud PCのリリース時期がいつになるかだろう。関係筋によれば、早ければ2021年の春には実現する可能性があるという。ただしMicrosoftの広報担当者は、筆者の問い合わせに対してCloud PCについては一切言及せず、「Microsoftはうわさや憶測にはコメントしない」という決まり文句を返してきただけだった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。