アイ・ティ・アール(ITR)は7月21日、国内アプリケーションパフォーマンス管理(Application performance management:APM)市場の規模と予測を発表した。2019年度の売上金額は前年度の22.0%増の53億7000万円。2020年度も需要は高まり、2019年度を上回る28.1%増の成長を見込むという。
APMは、エージェントによるレスポンスタイムの測定などでアプリケーションやITサービスのパフォーマンスを測定、管理、最適化する製品、サービス。
さまざまな業務がオンラインに移行し、システムのトランザクションが大幅に増加、複雑化。アプリケーションのパフォーマンス管理が重要な課題となっているという。
エージェントによるレスポンスタイムの測定などでアプリケーションやITサービスのパフォーマンスを測定、管理、最適化するAPMツールだが、近年はSIベンダーがシステム開発段階のパフォーマンスチェックに導入するケースも拡大。
2019~2024年度の年平均成長率(Compound Annual Growth Rate:CAGR)を20.2%と予測している。
提供形態別では、2019年度のパッケージが11.5%増、SaaSが166.7%増。2020年度以降もSaaSを採用する企業が増加し、2024年度にはAPM市場全体の3割強を占めるという。

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ITRで取締役、リサーチ統括ディレクター、プリンシパル・アナリストを務める金谷敏尊氏は、「APMは、ネットバンキングやEコマースなど、エンドツーエンドでの高いサービスレベルを要求されるシステムで活用が進んだ。昨今はDXニーズが高まり、銀行や小売り、通信以外の業種でもB2C向けシステムへの導入の機運が増し、市場の裾野が広がる傾向にある」とコメントしている。