新型コロナウイルスの蔓延によって、どこからでも仕事ができる新たな環境が生まれつつあることを受けて、サイバーセキュリティや、顧客情報の保護や、信頼の重要性はこれまでになく大きくなっている。今回完全なオンラインインベントとして開催された「Salesforce TrailheaDX 2020」に合わせて、筆者はSalesforceの最高トラスト責任者(Chief Trust Officer)であるJim Alkove氏と話をする機会を得た。Salesforceの顧客がこの新局面で直面している、データセキュリティに関するさまざまな問題について同氏に聞いた。以下の書き起こしは、読みやすくするために編集されたものであることをお断りしておく。
Jim Alkove氏
提供:Salesforce
Bill Detwiler記者(以下Detwiler):では、本題に入りましょう。Salesforceの顧客からは、どんな話を聞いていますか?「ニューノーマル」が訪れたことで、在宅勤務が当たり前になりました。会社のデバイスを家に持ち帰り、仕事が従業員の自宅のネットワークで行われるようになって、どんな課題が出てきているのでしょうか。顧客から聞いている心配事があれば聞かせてください。
Jim Alkove氏(以下Alkove氏):2020年3月に、人々の働き方に歴史上もっとも大きな変化が起こりました。ほとんど一夜にして、誰もがリモートワークに移行しました。Salesforceの最高トラスト責任者である私の仕事は、社内のさまざまなチームと協力して、私たち自身がこの新しい環境に適応しながら、顧客へのサービスを提供し続けること、それから、わが社のグローバルセキュリティチームが、24時間データを保護し続けられるようにすることでした。お客様が今、本当に聞きたがっているのは、Salesforceがどうやってこの環境に適応しようとし、彼らがこの環境に適応しようとする中、いかにしてベストプラクティスで彼らを支援できるようにしているかということです。そして、Salesforceが掲げているカスタマーサクセス(顧客を成功に導く)というコアバリューに従って、私たちが顧客のビジネス変革をどのように支えているかということです。
まずはサイバーセキュリティの基本を守ることが重要
Detwiler:ベストプラクティスをいくつか挙げていただけるでしょうか。サイバーセキュリティについては、われわれ誰もが従うべきさまざまなベストプラクティスがすでに知られていますが、この状況では、その重要性は大きく増しているはずだと私は考えています。今や誰もが、「以前からずっとこうしておくべきだった」と思うようになっているのではないでしょうか。