米国サンフランシスコ発の体験型店舗「b8ta(ベータ)」は8月1日、日本初店舗を新宿マルイ本館、有楽町電気ビルに同時オープンする。それに先駆けて7月28日、b8ta Japanが発表会と内覧会を開催した。本記事では、発表会の内容をレポートする。
「b8ta Tokyo-Shinjuku Marui」(左)と、「b8ta Tokyo-Yurakucho」(右)(出典:b8ta Japan)
b8taは2015年、サンフランシスコ近郊のパロアルトに「b8ta」をオープン。「リテールをより身近な存在にする」をミッションに、店舗内の区画をさまざまなブランドに定額で提供している。これまで米国に23店舗、ドバイに1店舗を構え、1000以上のブランドが出店するとともに、年間300万人以上が訪れているという。
米b8ta Co-Founder & CEO(最高経営責任者)のVibhu Norby氏もビデオ出演
b8taに出品するメリットについて、b8ta Japan カントリーマネージャーの北川卓司氏は「コスト」「体験」「データ」の3つを挙げる。近年、EC(電子商取引)が急速に普及する中、あえて実店舗を持つことで差別化を図ろうとする動きがあるという。だが、実店舗の出店はコストがかかり、特にスタートアップ企業にはハードルが高い。そこでb8taは、店舗の1区画(60cm×40cm程度)を30万円前後で提供する。また、棚などの什器や人件費、スタッフの研修コストは出品料に含まれており、シフトや在庫の管理、商品の配送、POS(販売時点情報管理)はb8taが行う。商品が売れた際、マージンをもらうこともない。
b8ta Japan カントリーマネージャーの北川卓司氏
b8taでは商品を売ることに重きを置いておらず、来店客の「発見」「体験」をテーマとしている。その一環として、店舗スタッフ「ベータテスター」の教育に力を入れている。例えば、研修は出品するブランドがベータテスターに直接実施し、商品の機能だけでなく自社のミッションなども説明する。これにより、ベータテスターが来店客に商品の魅力を十分に伝えることが可能になるとしている。またeラーニングも用意しており、店長が学習状況を把握しているほか、ベータテスターはテストに合格しないと売り場に立つことができないという。北川氏は「体験型店舗を『b8taっぽいお店だね』と言ってもらえるようになるまで成長したい」と語った。