編集部からのお知らせ
「ZDNet Japan Summit」参加登録受付中! 
新着記事まとめ:DX推進、IT人材や内製化動向

体験型店舗の代名詞へ--サンフランシスコ発「b8ta」が日本上陸

大場みのり (編集部)

2020-07-29 11:13

 米国サンフランシスコ発の体験型店舗「b8ta(ベータ)」は8月1日、日本初店舗を新宿マルイ本館、有楽町電気ビルに同時オープンする。それに先駆けて7月28日、b8ta Japanが発表会を開催した。

「b8ta Tokyo-Shinjuku Marui」(左)と、「b8ta Tokyo-Yurakucho」(右)(出典:b8ta Japan)
「b8ta Tokyo-Shinjuku Marui」(左)と、「b8ta Tokyo-Yurakucho」(右)(出典:b8ta Japan)

 b8taは2015年、サンフランシスコ近郊のパロアルトに「b8ta」をオープン。「リテールをより身近な存在にする」をミッションに、店舗内の区画をさまざまなブランドに定額で提供している。これまで米国に23店舗、ドバイに1店舗を構え、1000以上のブランドが出店するとともに、年間300万人以上が訪れているという。

米b8ta Co-Founder & CEO(最高経営責任者)のVibhu Norby氏もビデオ出演
米b8ta Co-Founder & CEO(最高経営責任者)のVibhu Norby氏もビデオ出演

 b8taに出品するメリットについて、b8ta Japan カントリーマネージャーの北川卓司氏は「コスト」「体験」「データ」の3つを挙げる。近年、Eコマース(電子商取引)が急速に普及する中、あえて実店舗を持つことで差別化を図ろうとする動きがあるという。だが、実店舗の出店はコストがかかり、特にスタートアップ企業にはハードルが高い。そこでb8taは、店舗の1区画(60cm×40cm程度)を30万円前後で提供する。また、棚などの器具や人件費、研修のコストは出品料に含まれており、シフトや在庫の管理、商品の配送、POS(販売時点情報管理)はb8taが行う。商品が売れた際、マージンをもらうこともない。

b8ta Japan カントリーマネージャーの北川卓司氏
b8ta Japan カントリーマネージャーの北川卓司氏

 b8taでは商品を売ることに重きを置いておらず、来店客の「発見」「体験」をテーマにしている。その一環として、店舗スタッフ「ベータテスター」の教育に力を入れている。例えば、研修は出品するブランドがベータテスターに直接実施し、商品の機能だけでなく自社のミッションなども説明する。これにより、ベータテスターが来店客に商品の魅力を十分に伝えることが可能になるという。またeラーニングも用意しており、店長が学習状況を把握しているほか、ベータテスターはテストに合格する必要がある。北川氏は「体験型店舗を『b8taっぽいお店だね』と言ってもらえるようになるまで成長したい」と語った。

 天井にはカメラが2種類設置されており、1つは来店客の年齢層と性別を予測し、もう1つは店内での行動を計測する。後者のカメラでは、来店客が区画を通り過ぎる「インプレッション」、区画の前で5秒以上立ち止まる「ディスカバリー」の数を計り、ディスカバリーがあると「商品に興味を持っている」とみなす。また特定の動きを認識して、ベータテスターがデモンストレーションを実施した回数も計測。ブランドはこれらのデータをダッシュボードで確認できる。ダッシュボードにはチャット機能も搭載されており、ベータテスターと直接やりとりすることが可能。通常の小売りでは販売員と本社の間に営業担当者がいるが、b8taではチャット機能により来店客の反応を素早くブランドに伝られるとしている。

ダッシュボードで確認できるデータ。店内にある同じカテゴリーの商品と計測結果を比較できるのがユニーク。計測結果は1日の終わりに更新される
ダッシュボードで確認できるデータ。店内にある同じカテゴリーの商品と計測結果を比較できるのがユニーク。計測結果は1日の終わりに更新される

 b8taはスタートアップ企業のほか、大企業もテストマーケティングに活用することができるという。また、D2C(Direct to Consumer)ブランドが実店舗を出店する足がかりとして使うことも可能だ。

 b8taでは「発見」「体験」をリアルで推進する分、新型コロナウイルス感染症の対策が必須となる。そのため、来店客にはマスクの着用や手の消毒を促すとともに、天井のカメラを活用して店内の混雑状況を把握し、一定の数値を超えたら入店を制限するという。また公式LINEアカウントを作成し、来店客に登録してもらうことで、緊急事態が起きた際にはLINEを通して連絡する。

 b8ta Japanは、b8taとベンチャーキャピタルEvolution Venturesが合弁で設立。日本進出に当たり、丸井グループ、三菱地所、カインズがEvolutionに出資し、凸版印刷もb8taに出資している。丸井 代表取締役社長の青野真博氏は「2016年に米国の店舗を訪れた際、『こんなショップがあるのか』と驚いた。われわれは長年小売業を行ってきたが、この業界は既存のやり方では難しくなると思っている。スマートフォンで簡単に買い物ができる今、実店舗の価値とは何かを考えさせられる。これからの店舗は、体験を提供できる場所に変わっていく必要があると思う」と述べた。

(左から)三菱地所 新事業創造部 部長の小林京太氏、カインズ 社長補佐(経営企画担当)の渡邊喜久氏、b8ta Japan カントリーマネージャーの北川卓司氏、丸井 代表取締役社長の青野真博氏、凸版印刷 情報コミュニケーション事業本部 マーケティング事業部長の小城郁夫氏。コロナ対策のため、ソーシャルディスタンスを意識して並んでいる
(左から)三菱地所 新事業創造部 部長の小林京太氏、カインズ 社長補佐(経営企画担当)の渡邊喜久氏、b8ta Japan カントリーマネージャーの北川卓司氏、丸井 代表取締役社長の青野真博氏、凸版印刷 情報コミュニケーション事業本部 マーケティング事業部長の小城郁夫氏。コロナ対策のため、ソーシャルディスタンスを意識して並んでいる

 北川氏は「コロナ禍で出品企業が集まりにくい時期もあったが、多くの人が外出自粛を経験したことで、“外に出て体験することの価値”を再認識していると感じる。実際、緊急事態宣言が明けた後は、出品を希望する企業が急増した。感染対策など運営面での難しさはあるものの、来店客に楽しい体験を提供していきたい」と語った。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]