前回は「SNSでバズらせて」という上司への対応に悩んでいる方に向けて解決のヒントを解説しました。最終回の今回はSNSマーケティングの「効果検証」について解説いたします。
企業のマーケティング活動では、どのような施策においても効果検証は重要です。特にSNSマーケティングでは、いいねやコメントなどによってユーザーからダイレクトに施策の反応を得やすいという利点があります。
KPIの効果検証
SNSマーケティングの目的(ゴール)に対して、どれくらい効果があったのかをKGI(重要目標達成指標)やKPI(重要業績評価指標)で設定した目標値をベースに振り返ります。中間指標であるKPIは週次または月次で効果検証を行うことをおすすめします。
大事なことは、検証せずに施策をやりっぱなしにしないこと、あらかじめ決めた期間で効果測定を行うこと、そして得られた検証結果を次の施策に生かすことです。
例えば、「ファン数」「リーチ数」「インプレッション数」などをKPIの指標とした場合、投稿内容やキャンペーンなどの施策に対してどのような反応があったのかを確認します。
確認方法としては、Facebook、Instagramは「インサイト」、Twitterは「アナリティクス」という機能が各プラットフォームで用意されています(Instagramは、アカウントを「プロアカウント」に切り替えると利用できます)。それらの分析機能を使い、KPIに対する達成度合いをデータ上で確認します。
なお、複数人で運用している場合はメンバー全員で運用状況を把握することが重要なので、レポートを作成して共有することをおすすめします。以下は、月次レポートサンプルの一部です。
自社アカウントの運用状況を把握するため、KPIの推移、過去の結果との比較、改善のポイントなどをレポートにまとめていきます。その他、ユーザーのオーガニックな投稿(声)を収集してまとめる「ソーシャルリスニングレポート」や、SNS広告を配信した場合は「広告レポート」を必要に応じて作成します。
いずれのレポートも、その週や月の数値だけでなく、過去の数値と比較をして評価します。また数値の変動が大きければ、「なぜファンがこのタイミングで増えた/減ったのか」「なぜこの投稿だけいいねが多い/少ないのか」といった視点で要因を仮説立て、次のアクションに生かしながら検証していきます。
月次レポートのフォーマットは以下からダウンロードが可能です。どのような項目を報告すべきか参考にし、自社のレポート作成に役立ててください。
<コムニコ_月次レポートサンプル_Twitter>
・https://www.comnico.jp/twitter_reporttemplate
<コムニコ_月次レポートサンプル_Facebook>
・https://www.comnico.jp/facebook_reporttemplate
また、運用効率を上げるために「SNSマーケティングツール」を導入することもおすすめです。各ツールによって機能は異なりますが、主にコンテンツ投稿時やレポート集計時の作業負担を軽減することができます。ユーザーに喜ばれる投稿施策やコンテンツ制作に時間をかけられるよう、事務的な作業にかかる時間はできるだけ短縮していきましょう。
また、SNSプラットフォームが標準で用意している分析機能は、一部エクスポートできなかったり、PCからの確認ができなかったりと、運用する上で使いづらいこともあります。そういった意味でもツールの導入がおすすめです。有料でも無料トライアルが可能なものが多いので、それぞれ試してみて最も使いやすいものを選定してみてください。
<SNSマーケティングツールの例>
・comnico Marketing Suite(提供:コムニコ)
・Engage Manager(提供:トライバルメディアハウス)
・Social Insight(提供:ユーザーローカル)
・sprinklr(提供:SPRINKLR)
・TweetDeck(提供:Twitter)
<無料で利用できるSNSマーケティングツールの例>
・HootSuite(提供:HootSuite Media)※一部有料
・SocialDog(提供:AutoScale)※一部有料(Twitterのみ)