日立ソリューションズは7月31日、テレワーク時でも打ち合わせや雑談の円滑なコミュニケーションを可能とする仮想オフィス「Walkabout Workplace」を発表した。米Walkabout Collaborativeと日本販売代理店契約を締結。8月3日から提供を開始した。
話者がスライド上を動き回って説明する米Personifyの「Personify Presenter(パーソニフィ プレゼンテーター)」を8月中に提供予定。今秋にはテレワーク中の社員の居場所やマインドの状況を可視化する勤怠管理システム「リシテア/就業管理」の最新版と人工知能(AI)を使ってプロセスを検出し、ロボットを自動作成するAutomation Anywhereのロボティックプロセスオートメーション(RPA)に含まれる統合プロセス検出ソフトウェア「Automation Anywhere Discovery Bot」の年内提供を予定している。
日立ソリューションズ スマートライフソリューション事業部 事業部長 紀平篤志氏
日立ソリューションズ スマートライフソリューション事業部 主管技師長 兼 人事総務本部 働き方改革エバンジェリスト 伊藤直子氏
日立ソリューションズは「ワークスタイル変革ソリューション」を2017年に発表しているが、今回“ニューノーマル(新常態)”における働き方を含めた「新・ワークスタイル変革ソリューション」にアップデートした。スマートライフソリューション事業部 事業部長 紀平篤志氏は「当社の実践経験が顧客の一助になると確信している」と説明した。
新常態における働き方として、テレワークを選択する企業が多い。だが、日立ソリューションズ スマートライフソリューション事業部 主管技師長 兼 人事総務本部 働き方改革エバンジェリスト 伊藤直子氏は外部と自社の調査から得たデータからテレワーク環境が抱える課題をこう強調する。
「チームや上司、同僚の状況を把握しづらく、テレワークを実施すると孤独感や疎外感を受けるという声が増えている。さらに偶発的に起きる雑談など、自由な会話から新たな発想が生まれにくい。仮に新型コロナウイルスが収束しても、朝9時にオフィスへ集まるような以前の状態にならないと確信している」
このような背景から同社は新・ワークスタイル変革ソリューションとして、オフィスでもテレワークでも支障ない環境を整える“どこでもスムーズに業務”を支援するため、Walkabout WorkplaceとPersonify Presenterを提供する。また、従業員が出社せずに業務形態を増やす“徹底的に業務自動化”としてDiscovery Bot、個々の能力を活用して生産性を高めるためにリシテアにテレワーク対応バージョンを追加した。
ウェブベースのWalkabout Workplaceはオフィスのフロアマップを上から俯瞰する仮想オフィスを作りだし、テレワークで分散した従業員が同じオフィスにいるかのような一体感を醸成するサービス。
改めて述べるまでもなくテレワークの“テレ(Tele)”は“離れた”という意味を持っているが、コロナ禍では自宅以外を選択することは難しい。その結果、コミュニケーションの希薄化や長時間労働、業務時間とプライベート時間の切り替えが難しくなる。
これらの課題を解決するWalkabout Workplaceはオフィスの日常や他者の存在を可視化することで日常感を再現し、互いの存在を示すことで長時間労働を抑止できると説明。さらに仮想オフィスへの出退による意識の切り替えを実現するという。