5Gインフラストラクチャーへの投資が、2020年末までにワイヤレスインフラ市場の21.3%を占めると予想されている。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによってITのサプライチェーンに混乱がもたらされ、サプライ不足や輸送の問題、オフィスの閉鎖につながり、場合によっては、余剰人員の一時解雇やリストラ、または会社の清算が引き起こされている。
2020年における世界のIT支出に関するGartnerの予測は、COVID-19によって引き起こされた混乱によって、1月の約3兆9000億ドル(約413兆円)から、7月に約3兆5000億ドル(約370兆円)へと修正されている。最も大きな打撃を受けると見込まれているのはデバイス分野とデータセンター分野だ。
しかし、5Gインフラへの投資は依然として力強いものとなっている。
高速ブロードバンドとモバイル接続に対するコンシューマーの要求が高まるなか、通信サービスプロバイダー(CSP)や、ネットワーク機器分野のその他のベンダーは次世代テクノロジーをサポートするために自社ネットワークのアップグレードに向けたプロジェクトを継続している(そうしたプロジェクトの多くは2019年に立ち上げられたものだ)。
ワイヤレスインフラに対する世界全体での支出の予測(2019〜2020年:単位は百万米ドル)
提供:Gartner
Gartnerはこの分野への投資に関する新たな予想を発表している。5Gネットワークインフラへの支出は、2019年にはCSPによるワイヤレスインフラストラクチャー支出全体の10.4%だったが、2020年には21.3%に達する見通しだという。
またGartnerは、2020年のワイヤレスインフラストラクチャーの支出総額は4.4%減の381億ドル(約4兆円)になると予想している。
中国は、華為技術(ファーウェイ)による通信テクノロジーへの早くからの投資が功を奏しているためか、2020年における世界の5G投資の49.4%を占めると予測されている。
またGartnerの予測によると2023年までに、世界のCSPのうち15%が既存の4Gインフラを使用せずにスタンドアロンの5Gネットワークを運用するようになり、アジア/太平洋地域と米国、日本のユーザーの95%にサービスを提供できるようになるという。
より多くのベンダーがレガシーアーキテクチャーを捨てて5Gを採用するようになっており、Gartnerは2022年に5Gへの投資がLTE/4Gへの投資を上回るとしている。
Gartnerのシニアリサーチディレクターである瀧石浩生氏は「ワイヤレスインフラへの投資は、より多くのCSPが無線周波数帯域や基地局、コアネットワーク、トランスポートネットワークなどの既存資産の再利用とともに、LTE/4G投資の維持モードへの移行により、5Gプロジェクトを優先するようになる中、勢いを増し続けている」と述べ、「さらに、政府や規制当局はモバイルネットワーク開発を促進しており、それによって多くの業界をまたがる幅広い経済成長に向けた触媒になるものや増加要因が生み出されると期待している」と続けている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。