本記事は楽天証券が提供する「トウシル」の「TOP 3分でわかる!今日の投資戦略」からの転載です。
今日のポイント
- 相変わらず続く「円高なら日本株安、円安なら日本株高」
- FRBの積極的な量的緩和がドル安(円高)の背景
- ドル/円は長期的に購買力平価(企業物価ベース)に沿って動いている
- 経験則では購買力平価より20%以上円安が進むと米国から円安批判が出る
これら4点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。
相変わらず続く「円高なら日本株安、円安なら日本株高」
7月末に一時1ドル=104円台まで円高が進んだことが7月末にかけて日経平均株価が急落する要因となった。8月に入り1ドル=106円台まで円安に戻ったことを好感し、3日の日経平均は前週末比485円高と反発した。円高なら株安、円安なら株高の分かりやすい反応は昔から変わらず今も続いている。
円高が日本の企業業績にマイナスであることが分かっているだけに、外国人投資家は円高だと日本株を売る傾向が鮮明だ。ドルを円に換金して日本株を買っている外国人にとって、円高は日本株投資に為替差益を発生させる要因となる。円高により日本企業の業績が悪化すると知っているので、円高によって得られた為替差益を確保しつつ、日本株をいったん売りたくなるようだ。
円安の場合はその逆である。円安で日本企業の業績が改善する見通しとなる中、円安により外国人投資家にとっては保有するドルでより安く日本株を買えるようになる。従って、円安ではいったん日本株を買いたくなるようだ。
さて、今回はドル/円為替レートを動かす要因について考える。ドル/円を動かす最も重要な要因は日米金利差である。2020年に入ってFRB(米連邦準備制度理事会)が積極的な金融緩和を進めドル金利が急低下、日米金利差が縮小したことがドル安(円高)要因となった。