デル・テクノロジーズは8月4日、国内約470社の中堅企業(100~1000人未満)を対象としたIT投資動向の追跡調査結果と追加支援施策を発表した。2020年1月に調査、2月に発表した「中堅企業IT投資動向調査2020」の追加調査を6月に行ったもので、新型コロナウイルスの流行を受け、4~5月に発令された緊急事態宣言の前後で中堅企業の意識がどう変化したかがうかがえるものとなっている。
概要を説明した上席執行役員 広域営業統括本部 統括本部長の瀧谷貴行氏は、新たに浮き彫りになった課題として「『問題なく仕事ができている』ことと『今の仕事の仕方がベストである』こととはイコールではないし、『課題の存在に気が付いている』ことと『いつでも変革を始められる』ことはイコールではない」と指摘。デジタル技術を活用した新しい社会の仕組みに対応すべく、「従来の仕組みとルールの抜本的な見直しが急務」だと語った。
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続いて、詳細を説明した広域営業統括本部 中部営業部兼西日本営業部長の木村佳博氏は、まずテレワークの状況について「新たにテレワークを開始した中堅企業」は63.9%に上り、1月時点の25.1%と比較して38.8%増加したことを紹介した。一方、テレワークを開始して気付いた課題としては、「押印や印刷のための出社」(40.4%)、「請求書や帳票発行のための出社」(38.9%)という“ペーパーレスに起因する課題”が多く、次いで「PCやリモートで業務を行うシステム・ツールの導入が不十分」(29.6%)となった。さらに、「IT担当者のテレワーク関連業務」が10.3%増加し、20.9%が「外部ベンダーとの相談頻度が減少」したという結果も出ており、IT部門の負担増やコミュニケーション機会の減少なども課題となっていることが分かったという。
また、6月の調査時点で「今後テレワークを継続する」と回答した企業は54.1%で、1月調査から9.8%減少したという。テレワーク・在宅勤務を継続しないと回答した企業が理由として挙げているのは「コミュニケーションが難しい・時間がかかる」「チャット・ウェブ会議ツールなどの習熟度に個人差があり業務の円滑な進行を妨げる」といった内容で、同社では「社内ユーザーのITリテラシーのギャップが、長期化するテレワーク環境下で問題として露呈した結果」だと分析している。
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同社では、調査から浮かび上がってきた「リモートワークの障壁」の分析から、「働く環境支援」「仕事の仕方支援」「コミュニケーション支援」の3つの取り組みが求められているとして、それぞれに対して新たな施策を同日付で提供する。働く環境支援では「テレワークアセスメント/コンサルティング」「3カ月無償で提供可能なPCレンタルプログラム」「ノートパソコン即納モデル」、仕事の仕方支援では「ペーパーレスソリューションパッケージ」「PCマルチベンダーサポートプログラムのサービス拡張」、コミュニケーション支援では「エンドユーザー向けテレワーク活用講座」「管理者向けコミュニケーション講座」となる。
また、2月27日付けで1月調査の結果を発表した際に、奈良先端科学技術大学院大学との共同講座などを軸とした「『共有』『学習』『育成』『実践』『支援』の5つの支援施策」が発表されているが、この取り組みもアップデートされ、当初リアルでの開催が想定されていた共同講座などが完全オンライン化に移行するなど、昨今の状況の踏まえた内容が新たに提供されるという。
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なお、8月1日付けでデルとEMCジャパンが合併し、デル・テクノロジーズとなっている。