日本テラデータ(港区)は8月4日、産業IoTでの高速な時系列データを取り扱うアプトポッド(新宿区)との自動車分野でのデジタルトランスフォーメーション(DX)化に向けた協業を発表した。
次世代IoT分野でデバイスやサーバーの間での高速なデータストリーム処理を実現するミドルウェア「intdash(イントダッシュ)」とデータ分析基盤の「Teradata Vantage」で、自動車の各種センサーから生成される膨大なデータを収集し、顧客データやメンテナンス履歴データなど企業が持つ各種データと組み合わせ、高度な分析を行うデジタルソリューションの共同開発と早期提供を目指す。
日本テラデータ インダストリアル サービス事業部 事業部長 石井誠人氏
日本テラデータ インダストリアル サービス事業部 事業部長 石井誠人氏は「データ収集力に優れたアプトポッドとデータ分析が専門の弊社で、産業IoTやロボティクスに代表される製造業界に大きく貢献したい」と展望を語った。
自動車業界はCASE(Connected、Autonomous、Shared & Services、Electric)やMaaS(Mobility as a Service)に代表される“100年に1度”の大きな変革期を迎えている。一般的な企業で業務プロセスの最適化が求められているように、自動車の製造プロセスでも多くの手作業が存在し、最適化が欠かせない。
日本テラデータ エンタープライズ・テクノロジーセールス事業部プリシンパル・ソリューション・エンジニア 富髙弘之氏
たとえば開発した自動車の試験走行では、複数のセンサーから「億単位のデータが発生する」(日本テラデータ エンタープライズ・テクノロジーセールス事業部プリシンパル・ソリューション・エンジニア 富髙弘之氏)
とある企業では、収集したデータをサーバー上で処理し、実測データとシミュレーション結果と突き合わさせてExcelなどのレポートに落とし込んでいるが、一連の処理をほぼ手作業で進めるため、人的ミスや手戻り時には多くの時間と労力を要する。結果として目の前の作業に集中し、データ分析などの新しい領域に踏み出せないという課題を抱えているという。
2006年からM2M/IoT関連のソフトウェアやハードウェアなどを開発、提供するアプトポッドは、100ミリ秒~1ミリ秒間隔で発生する時系列データをモバイル網やインターネットなどのネットワークを介してストリーミングするためのプラットフォーム「intdash」シリーズを持つ。
試作車に車載ターミナルと2チャンネルのシリアル通信プロトコル(Controller Area Network:CAN)バスに対応するCAN-USBインターフェイースを搭載し、そこから取得したデータはクラウド上のintdashに蓄積し、データ解析などに活用。同時にダッシュボード形式でデータを可視化する「Visual M2M」でリアルタイムにデータの変化を映し出す。同社ではこれらを「intdash Automotive Pro」というパッケージで提供しており、顧客は遠隔で情報収集業務が可能になる。
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