第一生命保険は、アビームコンサルティングと共同で顧客に対応する「生涯設計デザイナー」の教育に人工知能(AI)や仮想現実(VR)などの技術を活用する営業ロールプレイング実証実験を開始すると発表した。8月から新人教育研修で導入する。
今回の取り組みは、生涯設計デザイナーがオンラインで自己学習できるよう、AIの自然言語解析を利用した営業スキルの評価、VRなど動画像技術を利用した現実の営業現場さながらの臨場感を演出するAI営業ロールプレイング研修の実現を目指すもの。スマートフォンなどで受講できるアプリケーションとして研修コンテンツを生涯設計デザイナーに提供し、時間や場所を問わず顧客とのコミュニケーションを体験するころで、入社が間もない生涯設計デザイナーを中心にコンサルティング力の高度化と均質化を図るとしている。
スマートフォンによる研修イメージ(出典:第一生命保険)
研修では、生涯設計デザイナーはシナリオが入ったアプリケーションを起動すると、動画で架空の顧客が登場し、保険商品の説明などのロールプレイングを行える。生涯設計デザイナーと架空の顧客との会話をAIが解析しながら自動的にシーンが進み、シチュエーションに応じて説明内容や話し方などをAIが解析、評価した結果と改善ポイントなどを生涯設計デザイナーにフィードバックする。
架空の顧客は、年齢、性別、家族構成などからさまざまパターンを設定できる。動画像で視覚的な臨場感のある応対を擬似的に体験することにより、実用的な研修が行えるとする。生涯設計デザイナーは柔軟に研修が行え、事前に準備して実際の顧客に提案したり、訪問の合間に効率的にトレーニングを行ったりできる。
アビームは、保険業界に関する営業プロセスや人材育成ノウハウなどのもと、テクノロジー面の「Virtual AI Training Solution」を通じて第一生命を支援する。第一生命は保険商品に対応した研修コンテンツを拡充させつつ、蓄積される生涯設計デザイナーの受講データの活用を推進して、2021年度の全国展開を目指すという。