米国選挙への干渉を試みるハッカーの情報提供に1000万ドルの報奨金

Catalin Cimpanu (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2020-08-06 12:29

 米国務省は米国時間8月5日、米国選挙を妨害する狙いで外国政府と協力したり、外国政府のために「違法なサイバー活動」を行う人物の特定につながる情報に、最高1000万ドルの報奨金を提供すると発表した。

DoS
提供:Department of State

 これには米国選挙の関係者とインフラや、投票機だけでなく、候補者とそのスタッフを狙った攻撃も含まれる。

 この発表は、現職のDonald Trump氏と民主党候補のJoe Biden氏が対決する、2020年米大統領選挙まで100日を切った8月5日に行われた。

 国務省によれば、報奨金は連邦、州、地方など、あらゆるレベルで行われる選挙を標的にした、全ての形態の選挙ハッキングが対象となる。

 国務省は、攻撃の可能性と阻止したい理由について、「外国の敵対者は、有権者の登録データベースや投票機など、選挙インフラに悪意のあるサイバー攻撃を仕掛け、米国で実施される選挙を妨害する可能性がある」と述べている。

 「このような敵対者は、悪意のあるサイバー工作によって、米国の政治団体や選挙キャンペーンから機密情報を盗み、政治団体と候補者の評判を損なうために、世論工作の一環としてその情報を流出させることも考えられる」(国務省)

 国務省は、外国国家が支援するハッカーを捕まえて起訴するのが目的であるとし、そうしたハッカーが米国選挙に干渉すると、「米国の国家安全保障と外交政策にとって、異常で並外れた脅威になる」と説明した。

米国が2020年に海外ハッカーに対して報奨金を提供するのは3回目

 報奨金は、国務省の「正義への報酬」プログラムを通じて支払われる。対象となるのは全てのハッカーではなく、米国の選挙プロセスに干渉しようとする可能性がある、外国政府に関連したハッカーの活動についての情報に限られる。

 このプログラムを通じて、ハッカー情報に多額の報奨金が支払われるのは、今回で3回目となる。4月には、北朝鮮のハッカーの特定と逮捕につながった情報に、500万ドルの報奨金を支払った。また7月には、2016年に米国の安全保障取引委員会の侵害に関与したウクライナのハッカー2人の情報に対して、それぞれ100万ドルの報奨金を提供した。

 本日発表された報奨金は、2016年の米国大統領選挙がロシアからの干渉によって妨害されたこととも関連している。ロシアは、民主党全国委員会(DNC)のサーバーを侵害し、何カ月にもわたって情報をゆっくりと流出させ、大統領候補だったDonald Trump氏に偏った報道を通じて、世論工作を行ったと非難されている。Obama大統領(当時)は退任前に、ロシアのハッキングに対して制裁措置を発令した。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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