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デジタル時代に求められるデータマネジメント--ビジネス活用で何が必要 - (page 2)

小林靖典 (クニエ)

2020-08-18 07:15

データマネジメントは差別化の武器に

 米国や中国のプラットフォーマーの台頭もあり、データが武器となり、他社との差別化になることを理解している多くの企業は、データを収集、蓄積し、ビジネスへの活用を実現するためのデータレイク、データウェアハウス(DWH)やデータマート、はたまた顧客プラットフォーム、データマネジメントプラットフォーム(DMP)、IoTデータプラットフォームといったデータ統合プラットフォーム基盤の構築を検討、もしくはすでに実施しているのではないだろうか。

 利用、提供したいデータを理想的な姿ですべて管理できれば、以下が実現できる。

  • 経営ダッシュボードから現場モニタリングまでの垂直管理
  • サプライチェーンや製品ライフサイクル全体の可視化
  • マーケティングや顧客ロイヤルティ向上でのデータ利用
  • IoT機器のデータをつなげたコネクティビティの実現
  • 工場全体をデータでつなげたスマートファクトリーの実現
  • さらに発展して、人や企業、社会をつなげるビジネスエコシステムの実現
  •  しかしながら、これらはプラットフォームを構築しただけでは実現できない。実現するためにはデータマネジメントが最も重要となるのだが、多くの企業はデータマネジメントにこれから取り組むという段階だ。データ基盤は構築していても、収集したデータを理想的な形でつなぎ、資産化する状態には至っていない企業が多い。

     データのつながりは物理的な統合に留まらない。仮想的な形や概念などのつながりも考慮し、自社の状況に合わせて取り組まなければならない。しかし、ポイントを正しく押さえれば現時点でデータマネジメントに関する成熟度が低い企業でも、データを武器にできる企業へと転換できる。

    デジタル改革に求められるデータマネジメント・アプローチ

     データマネジメントに関する取り組みや考え方は10年以上前から存在している。以前は、企業全体でデータ活用すべく、社内で保持する業務データを中心に一元的に収集、物理的なデータ統合の実現が求められていた。現在でもこのアプローチ自体は間違いではないが、経済活動全体でデジタル化が進み、外部環境の変化への迅速な対応が求められている。実際にこのスピード感覚では不十分といえるだろう。

     では、実際にどのように推進していけばよいだろうか。小さく始め、効果を出し、迅速性を担保しながら成果を積み上げ、対象範囲を拡大し、ビジネスの高度化を目指す。そして、従来のデータマネジメントで求められてきたデータ統合や組織、人材の育成は長期的な取り組みで実施するというハイブリッド・アプローチが正解である。ビジネスで目指すべきゴール、組織的な文化、コアとなる業務、データの状態などを整備し、スモールスタートで実現すべき施策と長期的に取り組むべき施策を策定し、デジタル改革を実現させるためのデータの価値創出を具体化する必要がある。

     次回以降は、このアプローチ方法を具体的に解説する。

    小林 靖典(こばやし やすのり)
    クニエ データマネジメント/データガバナンス担当
    マネージャー

    ITコンサルタントとして、システム企画、提案依頼書策定、要件定義分野から、データマネジメント/データガバナンス(データアーキテクチャ、MDM、データHUB、DL/DWH/BI、メタデータ管理、データ品質管理、データガバナンス組織構築、制度策定など)の分野で多数の実績を有する。 クニエでは、データマネジメント、データガバナンス分野の専門家として、データ戦略策定、データマネジメント構想策定、データプラットフォーム実現のためのデータマネジメント全般支援、データガバナンス組織構築支援、データマネジメント教育などに携わる。

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