セゾン情報システムズは8月6日、ファイル連携クラウドサービスの新版「HULFT-WebConnect Ver.3」を発表した。8月17日から提供する。新たにファイル転送クライアント「D-Client」を追加。通信はTLS、データはAESと二重の暗号化を施している。
HULFT事業の売上高は2020年3月期で85億7900万円(前年比12%増)に達し、8四半期連続対前年比プラス成長を遂げてきた。取締役 執行役員 HULFTビジネスユニット長 山本善久氏は「HULFTはレガシーな基幹システムとサーバーをつなぐイメージがあるものの、データをつなげてお客さまの新たな発見や理解、発想をうながし、有用な知へと進化させる」とHULFTのコンセプトを説明した。
(左から)取締役 執行役員 HULFTビジネスユニット長 山本善久氏、テクノベーションセンター 製品開発部 プロダクトマネージャー 樋口義久氏
ファイル連携ミドルウェア「HULFT」同士をインターネット経由で接続するため、2015年4月にHULFT-WebConnectをリリースしたが、翌年には取引先や仕入れ先との電子データ交換(EDI)の実現を目的にウェブAPIやコンソールなどを用意したバージョン2をリリースしている。
4年ぶりの機能拡張となるバージョン3をリリースした背景として、テクノベーションセンター 製品開発部 プロダクトマネージャー 樋口義久氏は「大企業と中堅中小企業とのデータ連携に課題が残るため」と説明する。
大企業側は相手先を含めたセキュリティ対策の実施や異常時の処理を含めた自動化で運用コストの削減を望む一方で、中堅中小企業側は専任IT担当者を任命できず、難しい設定や構築は不可能。データ連携業務に対するIT投資も消極的だ。樋口氏はD-Clientについて「IT管理者不在でも簡単に業務自動化を実現」とアピールする。
※クリックすると拡大画像が見られます
セキュアにファイルを転送するD-Clientは、管理者が転送設定を行い、利用者側の設定は不要である。利用時はHULFT-WebConnect契約アカウントを持つ管理者と、同アカウントを契約していない利用者間のファイル転送が可能だ。
※クリックすると拡大画像が見られます