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コロナ禍対応から見える文化の違い

佐藤友理

2020-08-15 09:00

本質は「インフォデミック」

 新型コロナウイルス対策でテレワークが広まり、それにあわせて継続的な物理的、システム的な環境整備の必要性が明らかになってきた。「アフターコロナ」のビジネスを考える時が来たのだ。

 『成長企業は、なぜOKRを使うのか?』などの著者であり、人事コンサルティングなどを手掛けるプロノイア・グループ(目黒区)の代表取締役であるPiotr Feliks Grzywacz(ピョートル・フェリクス・グジバチ)氏がこう語る。

 「新型コロナウイルスがもたらした課題を場当たり的に解決するだけでは十分ではありません。これまでの報道を見ればわかりますが、新型コロナウイルスは隠れた差別や歪んだ認識など『人類のバイアス』を可視化しました。私たちはバイアスを脱却し、社会をゼロベースで考え直さなければいけません」

 さらに同氏は、コロナウイルスの本質は「infodemic(情報の氾濫)」であると考える。

 「私たちは毎日のように感染者数が何人、死者数が何人、というニュースを耳にします。ですが、どれだけの人が一人ひとりの感染後の苦しみや死の恐怖、大切な人たちを置いてこの世を去らざるを得ない人たちの悲しみ、家族の喪失感に思いを馳せたでしょうか。何人亡くなった、どこで感染者が出た、といったニュース性ばかりが取り沙汰され、大切なことが忘れ去られていないでしょうか」(Grzywacz氏)

Piotr Feliks Grzywacz氏
Piotr Feliks Grzywacz氏

コロナ対応はお国柄・文化で決まる

 新型コロナウイルスの各国の対応は千差万別で、それゆえ対応の結果も差が開いてきた。なぜここまで違いが出るのか。Grzywacz氏は「欧米・アングロサクソン系の『西の文化』、アジア・ロシア系の『東の文化』と分けて考えると理解しやすいです」と語る。

 「西の文化で重要なのは個人主義であり、自己実現です。西の文化のスタンスを端的にいうと、『あなたは自由な個人です。ぜひ個人で自己実現してください。ただし国はあなたをサポートしません。自己実現はできるかどうかはあなたの責任です』となります。一方、東の文化で重要なのは集団主義であり、集団としての生存です。先ほどと同様にまとめると、『国はあなた個人の考えを重要視しません。みんなが生き残れるように振る舞ってください。ですが、国はあなたが死なないように最大限保証します』となります」(Grzywacz氏)

 また、西の文化は「アクション文化」、東の文化は「ビーイング(being)文化」でもあるという。

 「西の文化では、問題が発生するとまず『何かやらないといけない』と考えます。課題には解決策がなければいけないということですね。一方、東の文化では、問題が発生すると『その問題に対し、自分たちはどうあるべきか』を最初に考えます。言い換えれば、課題に対する姿勢が重要であって、課題を解決することが答だとは限らないということです」(Grzywacz氏)

 では、日本は東の文化に属するのかというと、そうでもないというのが同氏の意見だ。

 「現在の日本は、西と東の中間的な文化で成り立っています。元は東の文化だったのでしょうが、米国の影響で少し西に寄ったのでしょうね」(Grzywacz氏)

 また、こうした比較論は日本と米国の間でも成り立つ。同氏の分析では、日本の経営者は緊急時に国の意向を待ってから施策を打つのに対し、米国の経営者は国の意向を待たずにビジネスチャンスを狙うという。

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