TISは8月12日、通信事業者の中部テレコミュニケーション(ctc)が経費精算クラウドサービス「Spendia」を導入したと発表した。同サービスを活用したctcの経費精算システムは、4月から稼働している。
TISは、Spendiaへの移行支援や既存会計システムとの連携など、会計基盤全体を構築。同サービスの導入により、年間約200時間の経理業務が削減されると見込んでいるという。
ctcは2018年、親会社のKDDIとERP(統合基幹業務システム)基盤を統合することを決定。2020年4月の統合に伴い、既存の経費精算システムも刷新することを計画していた。
従来のシステムでは、申請や承認を社内のPCで行う必要があったため、従業員は営業先・出張先からオフィスに戻らないと経費申請ができず、経理部も自宅での承認作業が不可能でテレワークの障壁となっていた。また、遠方を拠点とする従業員は領収書を本社の経理部へ郵送する必要があったほか、経理部が1年間に処理する領収書・レシートは約1万2000枚に及ぶなど、業務処理にかかる手間と時間も課題となっていた。
そのためctcは、新たな経費精算システムに「経費の申請から承認まで、スマートフォンで行えること」「ペーパーレス化への対応」といった要件を求めたという。同社は、これらの要件を満たす複数のサービスを選出して機能の比較やトライアルを行った結果、Spendiaの採用に至ったとしている。
同サービスの採用理由に関しては、生体認証で専用アプリケーションにログインできることや、メニュー配置がカスタマイズ可能であることが挙げられている。また、会計システムとの連携や会計制度改定への対応など継続的な構築が必要だったが、TISがシステム全般の最適化を提案したことも評価しているという。
Spendiaの導入によりctcでは、紙の領収書・レシートの提出が不要となり、出社しなくても経費申請が可能になったほか、遠方の従業員は領収書などを郵送する手間がなくなり、審査完了までの時間が大幅に短縮された。加えて経理部は、テレワーク環境でもスマートフォンやPCで承認作業ができるようになったという。