「Chrome 86」でURLの一部非表示をテストへ--フィッシング対策で

Liam Tung (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 矢倉美登里 吉武稔夫 (ガリレオ)

2020-08-14 11:42

 Googleは、サイト上のページのURL全体が表示されずにドメイン名だけが見える場合にユーザーがどう反応するかを知るために、「Chrome 86」で大規模なテストを実施する。

 Chrome 86は10月に安定版がリリースされる予定だ。

 Googleの新たな実験は、「無作為に抽出された」一部のChrome 86ユーザーが対象になる。対象となったユーザーには、例えばWikipediaのあるページのアドレス全体ではなく「en.wikipedia.org」というドメイン名だけが表示される。

 実験の対象となったユーザーは、不完全なURLにマウスポインターを重ねればURL全体を表示できる。また、URLを右クリックして「Always show full URLs」(URL全体を常に表示)を選択することもできる。これを選択すると、その後に訪問するすべてのサイトでURL全体が表示されるようになる。

不完全なURLにマウスポインターを重ねればURL全体を表示できる
提不完全なURLにマウスポインターを重ねればURL全体を表示できる
供:Google

 実験の目的は、この方法によって人々がフィッシングURLに気づけるかどうかを確認することだ。

 Googleが指摘しているように、詐欺師や攻撃者がURLを改ざんし、ユーザーを騙して正規のページを開いていると思わせることが可能な方法はたくさんある。

 Appleの「Safari」ブラウザーは、すでにデフォルトでドメイン名しか表示しておらず、Chromeと同じく、URLの「https://」という部分はもう表示していない。

 実験の対象にならなかったユーザーも、「Chrome Canary」チャネルか「Chrome Dev」チャネルでこの機能をテストできる。Chrome 86で「chrome://flags」を開き、以下のフラグを有効にしてからChromeを再起動する必要がある。

  • #omnibox-ui-reveal-steady-state-url-path-query-and-ref-on-hover
  • #omnibox-ui-sometimes-elide-to-registrable-domain
  • (任意)#omnibox-ui-hide-steady-state-url-path-query-and-ref-on-interaction

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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