広島大とNTTデータ、組み合せ最適化問題での高速計算方式を開発

2020-08-17 12:57

 広島大学大学院先進理工系科学研究科の中野浩嗣教授らの研究チームとNTTデータは8月17日、組み合せ最適化問題の解を高速に探索するという新しい計算方式「アダプティブ・バルク・サーチ」を開発したと発表した。

 新方式は、複数のアルゴリズムを用いて「二次無制約二値最適化(QUBO)」問題における大量の解からコストが最小となる最適解を、複数のGPUを用いて効率的に並列で探索するというもの。マシン台数に比例して計算速度を高速化できるのが特徴で、NVIDIAのGPUを4基搭載した計算サーバーで毎秒1兆超の解を探索する計算速度を達成したという。実験では、最大カット問題、巡回セールスマン問題、ランダム問題に対する今回の方式の高速性を示したとし、現状で3万2768変数のQUBO問題まで扱えるとしている。

アダプティブ・バルク・サーチの動作イメージ(出典:NTTデータ)
アダプティブ・バルク・サーチの動作イメージ(出典:NTTデータ)

 詳しい成果は、同日から開催されている国際会議「International Conference on Parallel Processing」で広島大の安戸僚汰特任助教が発表する。NTTデータは、今回の解法を活用して流通や金融、製造での諸問題と、人工知能/機械学習の高性能化に取り組むとしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]