アシストは8月、エンタープライズ動画管理基盤「Panopto」の販売を開始した。2021年末までに50社の顧客企業への導入を目指している。
同社は7月に「知識」と「人」をつないで企業力を強化する「IoK(Internet of Knowledge)」構想を発表。PanoptoはIoK構想に基づくソリューションの第1弾となる。IoK構想の中で「動画」に注目したわけは、今後動画による知識の共有が新しいコミュニケーション手段として重要となると考えるためだ。
Forrester Researchの調べによると、1分の動画に含まれる情報量は、テキストにして180万語、ウェブページにして3600ページに相当し、単純なテキストと比較して記憶への定着が2倍以上という。その一方で、ビジネスの世界ではまだ十分に活用が進んでいるとは言えない状況にある。

動画によるコミュニケーションの変化

動画によって会議やプレゼン、ナレッジ共有、学習、チーム形成に変化
アシストでは、知識が社員同士をつなぎ、そこに新たな知識が生れ、その知識が顧客やパートナーとの出会いを生むと考える。こうした「知識の循環」を実現するための概念としてIoKと定義する。社員個人が持つ知識や知識に付随する経験・思考・感性、そして個人の持つ想いも合わせてデジタル技術を活用し、社内外で循環させることが重要になる。特に「想い」はコミュニケーションの重要な要素だと説明する。
Panoptoは、そうしたマニュアルだけでは伝わらないナレッジの共有、スキルの伝承、チーム形成などに役立つ製品だという。同製品は2007年に米国カーネギーメロン大学からスピンアウトして設立されたPanoptoが提供するエンタープライズ動画管理基盤。全世界で500万人以上が利用し、複数の調査会社から同分野におけるリーダーとして高く評価されているという。
Amazon Web Services(AWS)上で稼働するSaaSとして提供され、動画の作成、編集、共有とった基本機能に加え、動画内のコンテンツにインデックスを付ける独自の動画検索エンジンが特徴だ。これにより、動画内の音声や資料内の文字を含めたあらゆる言葉を検索可能になる。
動画コンテンツ単位で管理者や参照権限の設定が可能な管理機能や動画コンテンツの視聴者や視聴日時、視聴の完了率などを管理する視聴統計機能など、エンタープライズレベルで動画を使いこなす文化の醸成を支援する。営業支援(SFA)ツール「Salesforce」上のアカウント、案件、商談に動画コンテンツを共有したり、ウェブ会議ツール「Zoom」との連携によりウェブ会議を動画で自動保存したりできるなどさまざまなプラットフォーム製品との連携も可能になっている。

Panoptoの機能イメージ
アシストでは、Panoptoの全社導入を決定し、7月から全社員による自己紹介コンテンツの作成、会議の録画、勉強会など、コミュニケーション活性化や情報共有、スキルアップのために自社内での活用を始めている。
Panoptoの価格は、スタートモデルがユーザー数1000人までで年額470万円。利用者数がライセンスのカウント対象となり、全てのユーザーが動画を作成可能。どんなに動画を作成してもストレージフリー(容量無制限)で利用できる。
今後は、Panoptoの活用方法にとどまらない、顧客企業の変革に伴走するための各種支援メニューを順次リリースしていく予定としている。