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特集まとめ:高まるCISOの重要性

柔軟な働き方を阻害する“最後の砦”--シスコ、UCをプライベートクラウドで提供

阿久津良和

2020-08-24 07:00

 シスコシステムズは8月21日、電話やビデオ会議、メールなどの通信手段を統合して利用できるホステッド型プライベートクラウドサービス「Cisco UCM Cloud」の提供開始を発表した。同サービスは、音声や映像、メール、チャットなどをまとめた“ユニファイドコミュニケーション”を実現するための呼制御サーバー「Cisco Unified Communications Manager(UCM)」のクラウド版であり、シスコのデータセンターから提供する。

 2000年からオンプレミス型のUCMを提供しており、今回のUCM Cloudは、ユーザー企業ごとのUCM環境をシスコのデータセンターに設定して提供する。既存のUCMユーザー企業はUCM Cloudへ移行でき、利用者やシステム管理者側の変化は生じない。

シスコシステムズ 代表執行役員社長 Dave West氏
シスコシステムズ 代表執行役員社長 Dave West氏

 同社は昨年、東京五輪を見据えた企業のテレワーク導入を推進する施策を発表しているが、代表執行役員社長 Dave West氏は「今、振り返ると(テレワーク推進施策の)機会を設けてよかった」と延べ、コロナ禍でウェブ会議サービス「Cisco Webex」の利用数が大幅に増加したことを明かした。

 シスコシステムズが8月に実施した社内意識調査によれば、新型コロナウイルス発生前に週4日以上オフィスに出社していた割合は74%。だが、コロナ禍では「必要なタイミングのみ出社、もしくは全くオフィスに出社する必要はないと考えている」と回答した割合は62%だった。

シスコシステムズ 執行役員 コラボレーション アーキテクチャ事業担当 石黒圭祐氏
シスコシステムズ 執行役員 コラボレーション アーキテクチャ事業担当 石黒圭祐氏

 同社はコロナ禍における社会全体の変化に伴い、オンラインでの働き方がこれからの標準になると見据え、“ハイブリッド型ワークスタイル”を提唱している。文字通り従来型のオフィス活用に加えて、自宅勤務のリモートワークや任意の場所で働くテレワークが混在するものだ。

 執行役員 コラボレーション アーキテクチャ事業担当 石黒圭祐氏は、先の調査結果を踏まえて「働く環境を抜本的に変えないと社員のエンゲージに合致できない」とハイブリッド型ワークスタイルの提唱理由を説明した。

 ウェブ会議サービスのWebexの利用状況も大きく変化している。6月時点の集計結果によれば、グローバルで250億分以上の会議が開催され、5億人以上が会議に参加した。国内に限定すると、2019年2月時点と比べて、会議開催数は5倍、会議参加者数は8倍、無料トライアル登録数は40倍に拡大。それに伴い国内データセンターは5回以上増強したという。

 「2019年のWebExサポート数は120万人だが、現在は毎月1050万人」(West氏)と、多くのオンライン会議システムと同様にWebexの利用者数も増加している。だが、必ずしもオンラインコミュニケーションで完結する業種は多くない。

シスコシステムズ クラウド&ホスティッドコーリング営業部 マネージャ 泰道亜季氏
シスコシステムズ クラウド&ホスティッドコーリング営業部 マネージャ 泰道亜季氏

 クラウド&ホスティッドコーリング営業部 マネージャ 泰道亜季氏は「固定電話が主流という話をよく耳にする」と現状を語った。たとえば“在宅勤務中のため連絡はメールのみ”といった、メールなどの注意書きを目にすることが増えたことは読者にも経験があると思うが、会社に電話しても、誰も出ないという状況も経験しているはずだ。

 会社にかかってくる電話に対応するため、出社を余儀なくされるケースもあり、「この半年で課題が露呈した」(泰道氏)。こうした課題を解決できるものとしてUCM Cloudがあると解説した。こうしたことから同社では、オフィスの固定電話を働き方改革に抵抗する“最後の砦”と表現している。

 UCMとそのプライベートクラウド版であるUCM Cloudを活用すれば、オフィスの固定電話にかかってきた電話をPCやスマートフォンで受けることが可能であり、在宅勤務時には対応するIP電話端末を自宅に置いて、オフィスにある固定電話と同じ電話番号で社外とやり取りできる。

 UCM Cloudは、日本とシンガポールに設けたWebexデータセンターで運用し、顧客単位で環境を提供するホステッド型プライベートクラウドサービス。実際の展開や運用はパートナー経由で行い、アクセスは「Webex Edge Connect」やSD-WAN、VPNなどを経由して接続する。また、オンプレミスにあるUCMとの互換性を保持し、利用環境や管理手法、サードパーティー製品との連携も維持する。

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