米国家安全保障局(NSA)とサイバーセキュリティインフラストラクチャーセキュリティ庁(CISA)は米国時間7月23日に、工場などで使われる制御系システム(OT)がセキュリティの脅威にさらされているため、すぐにでも対策を講じることを勧めるとする声明を発表した。
これによると、現在多くの企業で労働者が分散して業務を行い、遠隔操作機能を活用したアウトソーシングなどを進めている。一方で、ここ数カ月の間にハッカーがOT資産を悪用することによって、重要なインフラへの悪意あるサイバー攻撃を実行することに意欲を示しているという。
米国の多くの企業では、OTは悪意のあるサイバー攻撃に対応できるように設計されていないとする。OTの脆弱性で民間インフラが攻撃されれば、外国勢力にとって魅力的なターゲットになると述べている。
NSAは、OTが国防総省の任務に不可欠であり、重要な国家安全保障システムとサービス、防衛産業基盤やその他の重要なインフラストラクチャーを支えていると認識しており、危機感を募らせている。経路として特に注意しているのはVPNである。NSAは同じ声明文で、リモートデバイスへの全ての通信は、多要素認証で保護し、強力な暗号化を備えた環境で実施するように呼び掛けている。
OTに訪れている脅威は米国だけにとどまるものではない。OTのセキュリティについて触れた記事を集めた。