NECとOLLは、シンガポール、マレーシア、ミャンマー、タイ、インド(ムンバイ・チェンナイ)を結ぶ大容量光海底ケーブル敷設プロジェクト「MIST」のシステム供給契約を締結した。OLLはシンガポールに本社を置くNTT Limitedなどが出資する特定目的会社。ケーブルの製造は、深海8000メートルの水圧に耐えられる光海底ケーブルを製造可能なNECの子会社OCCが担当する。
MISTのルート図(出典:NEC、Orient Link Pte.)
NECは、過去50年以上にわたって海底ケーブルシステム事業を手がけており、地球7.5周分の30万kmを超える敷設実績があるという。同社は、陸上に設置する光伝送端局装置・光海底中継器・光海底ケーブルなどの製造、海洋調査とルート設計、光海底ケーブルシステムの据付・敷設工事、訓練、引渡試験まで、システムインテグレータとして提供している。
MISTは総延長距離が約8100kmで、最新の光波長多重伝送方式を採用しており、設計容量は毎秒216Tbps以上。2022年末の完成を目指している。
アジア地域では、データセンターの増加やモバイル・5G(第5世代移動通信システム)サービスの普及、SNS・Eコマース(電子商取引)・企業向けクラウドサービスの拡大など、デジタルへの投資が加速している。同ケーブルの敷設により、こうした通信需要の増加に対応するとともに、最新の光伝送技術を活用することで、アジア地域におけるネットワークの冗長性向上、信頼性の高い通信に貢献するという。