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スマートシティーのセキュリティを考える

データ活用ルールでつまずいた、トロント・スマートシティー計画の問題点

佐々木弘志 (マカフィー)

2020-09-03 06:00

 2020年5月7日、カナダ・トロントのスマートシティープロジェクトを中心となって推進してきたSidewalk Labsは、プロジェクトからの撤退を発表した。その理由は、「コロナ禍のトロント不動産市場の不安定化のため、収益性の確保が困難となった」(参考)からだが、データの活用を巡るトロント市民との対立などトラブル続きだった本プロジェクトは、コロナ禍以前からその存続が危ぶまれていた。

 Sidewalk Labsは、Googleを傘下に持つAlphabetの子会社として、「都市生活の改善に取り組むこと」を目的に、2015年に設立された。2017年に始まったトロントでのスマートシティー計画は、Sidewalk Labsが、自らが13億ドル(約1400億円、 最初の計画発表時は5000万ドルだった)を出資して主導する大型プロジェクトであり、サイバー空間で圧倒的な量のデータを支配するGoogleが、スマートシティーの新規参入プレイヤーとして、どのようなアプローチを取るのかという点で業界の注目を集めていた。しかし、残念ながらその記念すべきプロジェクトは、多くの課題を残したまま終了することになった。

 トロントでSidewalk Labsが実現を目指していたのは、域内の雇用の創出、環境影響や住居費の低減、交通の最適化などであり、そのコンセプトを支えているのが、大量に設置されたセンサーやカメラから得られる「データ」である。これまで集められることのなかったデータを大量に集めて活用することで、新しいまちづくりのコンセプトづくりを目指すという点では、前回紹介したスマートシティーの中国・深圳と共通する部分が多い。では、なぜトロントのプロジェクトはうまくいかなかったのだろうか。

図1:トロントのスマートシティー構想イメージ(内閣府資料より)
図1:トロントのスマートシティー構想イメージ(内閣府資料より)

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