製造装置メーカーの平田機工は8月25日、VPN装置を利用していた社員24人およびVPN装置の管理用のユーザーIDとパスワードがインターネット上で、2週間限定でダウンロードできるようになっていたというセキュリティインシデントを公表した。17日時点で現存していないが、約900社が同様の状況に置かれていたという。
同社によると、インシデントは4月後半から実施したテレワークに起因する。テレワークではVPN接続を行っていたが、現在のVPN装置では対処し切れなくなり、急ぎ前年度に交換した古いVPN装置を4月22日午後3時頃から再び稼働させて負荷分散を図っていたという。
8月5日の午後10時14分に古いVPNの情報流出被害がTwitterに投稿され、同6日午後12時46分に運用委託先から被害連絡があり同社でインシデントの発生を認知した。現在と古いVPN装置それぞれの管理用パスワードを変更し、古いVPN装置は午後1時頃に稼働を停止させネットワークケーブルを抜線した。17日までに、現在と古いVPN装置、また、ファイルサーバーや基幹系サーバー、認証サーバーの操作ログを確認した。
古いVPN装置には脆弱性が存在しており、同社は調査で公開ファイルの作成日時から、6月25日の午前4時57分にユーザーIDとパスワードが漏えいしたと推測している。なお、現在のVPN装置には、古いVPN装置に存在した脆弱性はないという。
これまでのところ社員のアカウントで31回の不正ログインを試行した形跡が見つかったが、アクセス端末が社内で登録されているPCではなかったことから不正ログインの試行を全て拒否し、社内ネットワークに侵入された形跡も認められないと説明している。