インターネットイニシアティブ（IIJ）は、ヘルスケア事業において在宅医療に関わるさまざまな専門職が情報共有するプラットフォーム「IIJ電子＠連絡帳サービス」の機能を強化した。
同サービスは2017年4月から提供開始され、現在では65の行政（市区町村）で利用されている。導入地域における利用が進むにつれ、行政や消防などの専門職との情報連携にも同サービスの活用を広げたいという要望が寄せられ、今回新たに「災害時連携オプション」と「救急情報連携オプション」の提供を開始した。
災害時連携オプションの利用イメージ（出典：IIJ）
災害時連携オプションの画面イメージ（出典：IIJ）
災害時連携オプションでは、「避難行動要支援者名簿」とIIJ電子＠連絡帳サービスを連携することで、被災時の要援護者情報を地域の専門職、避難行動を支援する行政が共有し、一体となって災害対策を進めるようにする。
例えば、IIJ電子＠連絡帳サービスで提供されるツールの地図に要援護者の避難場所を表示し、そこに避難場所を管理する行政担当者や担当する専門職が安否情報を投稿することで、関係者間で瞬時に情報共有できる。避難対応後も継続的に要援護者の医療介護情報の連携を継続することで、新型コロナウイルス感染症対策における非対面での活動も支援する。
救急情報連携オプションの利用イメージ（出典：IIJ）
救急情報連携オプションは、消防指令台や救急隊員がアクセスすることで、救急搬送する前に患者に関する情報を取得し、円滑な救急活動を支援する。消防指令の初動時において事前にかかりつけ医や近親者情報を取得することで、救急対応への集中と搬送後の急性期病院との連携を実現する。
緊急連絡先や支援チームなどの情報を得ることで、搬送先病院側でのスムーズな対応や、在宅医療スタッフとの途切れのない連携を可能にし、患者への適切な医療・介護サービスの提供を実現する。
このほか同サービスでは、ユーザーからの要望に応え、全面的にサービスの機能と操作性をリニューアルした。
投稿情報の整理と検索性の向上では、スレッド形式で投稿することで、話題ごとにやりとりを分類して表示できるようにした。例えば、ケアマネージャーから訪問看護師に対する質問、医師から訪問看護師への指示内容など、話題ごとにスレッドを立ててやりとりすることで、どの話題に関するコメントなのかが明確になり、情報を分かりやすく伝達できる。
さらに投稿するコメントには複数のタグを付けることができ、効率的に検索できるようにしたほか、「いいねボタン」を追加した。タイムライン中のファイルや画像、動画を一覧で表示できる機能を提供し、タイムライン中のファイルの検索性を高めている。
また、医療・介護専門職と在宅患者・家族のコミュニケーションツール「ここのーと」の機能を強化。患者・家族がバイタル情報やスケジュールを入力し、専門職と共有できる機能を提供する。例えば、医療的ケア児のバイタル情報を家族が代わりに測定し、日々の状態を専門職に共有したり、患者と訪問介護士の予定が調整したりできる機能を追加された。
パーキングシェアオプションも追加された。訪問介護士など専門職向けの駐車場マッチング機能で、近隣住民や商業施設などが持つ空きスペースを活用し、同オプションに使用可能なスペースとして登録する。専門職は事前にオンラインで駐車場を予約でき、余分な時間をかけずに移動できるようになる。
1カ月当たりの税別提供価格は、IIJ電子＠連絡帳サービスが20万～、災害時連携オプションが5万円～、救急情報連携オプションが10万円～、ここのーと（オプション）が5万円～。
