富山県富山市に拠点を置くインテックは、東京都多摩市と新しい生活様式に対応した「ICTを活用した地域・市民サービスの向上推進に関する連携協定」を締結した。
協定の第一弾として、インテックが構築・整備する予定の「地域コミュニケーション基盤(仮称)」に、共同で子育て世代向けのアプリを開発し、実証実験を開始する。
実証実験では、市民モニターによるアプリケーションのCX(顧客体験)向上に貢献するサービス検証を行う。各家庭の状況にマッチした各種イベントの案内や、カレンダー、地図とを連携した予防接種の予約、接種記録の登録、QRコードを使用した行政サービスの申請手続きなどを実施する。実施予定時期は9月初旬で、モニター対象者は子育て世代の市民。
実証実験のイメージ図(出典:TISインテックグループ)
地域コミュニケーション基盤では、パーソナルデータを格納するとともに、本人の承認を経て必要な情報を自治体やサービス事業者へ提供し、必要な情報を受け取ることになっている。
自治体側は、アプリを通して必要な情報を適切なタイミングで各家庭へ届けることができ、申請手続き処理のオンライン化や相談情報履歴の事前確認が可能となる。蓄積されたデータから時間帯や曜日など申請手続きの傾向を把握できるため、対応する担当者の体制、導線の確保などを事前に計画することができる。
住民側は申請手続きの事前予約を行えるため、自治体での待ち時間を大幅に短縮することができ、申請用紙への住所や名前を記入作業が不要となる。また、自然災害などの緊急時に自治体とのコミュニケーションツールとして活用できる。
これまで多摩市では住民サービスに関して、ホームページへの掲載や郵送による案内を行っていたが、情報が素早く確実に行き届かないことが課題となっていた。また、住民からの申し込みや相談においても窓口や電話対応で多くの時間や労力を要していたという。