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「富士通をもっとおもしろい会社にしたい」--一大改革を進める人事トップとDX請負人の思いとは - (page 3)

聞き手・文=松岡功

2020-09-02 06:00

価値観を逆転させる必要があるデジタルマインドセット

 ここからは、福田氏に社員全員のDX人材化について質問したい。この取り組みについては、同社社長でCDXOでもある時田隆仁氏が7月30日、2020年度(2021年3月期)の経営方針を説明する会見の中で明らかにした。その内容については、8月6日掲載の一言もの申す「富士通がDX企業になるカギは『全社員13万人をDX人材にできるか』」で解説しているので参照いただきたい。表1に示したのが、富士通の社内DX推進の概要である。

表1:富士通の社内DX推進の概要(出典:富士通の資料)
表1:富士通の社内DX推進の概要(出典:富士通の資料)

 発表後1カ月の段階で、このプロジェクトがどのように動き始めたか。また、いつまでに社員全員をDX人材にする計画なのか。福田氏にはまず、これらの点について聞いてみた。

 「現在、具体的なプログラム内容をまとめる最終段階に入っており、内容が決まった後、それに則ってDX人材への取り組みが本格的にスタートすることになる。DX人材になるためには単に学習してスキルを高めるだけでなく、社員一人ひとりのカルチャーやマインドセットを変えていかなければならないので、全体として期間を区切っているわけではない。その意味では、プログラムの進め方はデジタルでなく、かなりアナログなものになると考えている」

 では、もっと根本的な質問を。DX人材になるために最も大事なことは何か。この答えは、富士通の社員に限らず、全てのビジネスパーソンに当てはまるのではないかとの期待も込めて聞いてみた。すると、福田氏は次のように話した。

 「やはり、カルチャー、マインドセットが最も大事だ。とりわけ、デジタルマインドセットは、あらゆる価値観を逆転させる必要があると感じている。価値観を逆転させるとはどういうことかというと、元MIT(米マサチューセッツ工科大学)メディアラボ所長の伊藤譲一さんが『The Principles of AI』と題して、9つの価値観の逆転について発信しておられるので、ぜひチェックしていただきたい」

 表2が、その9つの価値観の逆転である。福田氏はそれらを説明した上で、「今までが間違っていたわけではなく、時代が変わったということだと思う。ならば、今の時代に合わせた価値観やルールに変えていかないと何事もうまく行かないだろう。DX人材になる上でのマインドセットでいうと、『会社は何をしてくれるのか』ではなく『自分はどう学べばよいのか』という心構えが大事だ。それが“自立”ということ。平松が先に述べた通り、Work Life Shiftの根本でもある」と語った。

表2:9つの価値観の逆転。ベースは元MITメディアラボ所長の伊藤譲一氏による「The Principles of AI」
表2:9つの価値観の逆転。ベースは元MITメディアラボ所長の伊藤譲一氏による「The Principles of AI」

 最後に、お二人に改めて、富士通をどのような会社にしていきたいかと聞いた。お二人のコメントを続けて記しておこう。

 「福田の話を受けた形で言うと、今までの延長線上に自分たちの目指す姿はない。今こそ思い切って変わらないといけない。私としては、会社と社員の関係において、信頼や自立といった高い次元でつながった強い組織を目指したい。Work Life Shiftの取り組みはそのスタートだと考えている」(平松氏)

 「その質問に対する私の答えは、入社時から変わっていない。富士通は今、IT企業からDX企業に変わるべく改革を進めているが、富士通がDX企業になることが日本のDXを推進する原動力になると考えており、それこそが(SAPジャパン社長から転身して)富士通のメンバーに加わった私の最大のモチベーションだ。先にも述べたが、経営陣をはじめ社内では変革に対して真剣に取り組む姿勢が日を追って強くなってきており、そんな中で私も役に立てそうだという思いが強くなってきている。ぜひ、みんなで富士通をもっとおもしろい会社にしていきたい」(福田氏)

 あっという間の1時間だった。取材後、福田氏から「1年後に改革の検証でまた取材を」とのリクエストも。リップサービスとは受け取らず、ぜひ実現したい。

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