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量子インターネットとは、その可能性--今知っておきたいこと - (page 2)

Daphne Leprince-Ringuet (ZDNet UK) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2020-09-11 06:30

 量子のエコシステムがインターネット2.0の時代をどのように支えるのかについて理解するには、従来のコンピューティングに関するすべての知識をいったん忘れ去った方がよいかもしれない。量子インターネットには、お気に入りのウェブブラウザーを思い起こさせるようなものはないに等しいためだ。

量子を用いてやり取りできるのはどのような情報なのか?

 手短に述べると、多くのユーザーにとってなじみの深いものは、さほど多くはない。このため少なくとも向こう数十年で、量子Zoomミーティングに参加できる日がやってくるという期待は抱かない方がよいだろう。

 量子通信は、量子力学の法則に基づくキュービットの挙動が、古典的な情報単位である「ビット」のそれと大きく異なっている点を柱としている。

 古典ビットでデータをエンコードする場合、実質的にその状態は2つのうちの1つに落ち着くことになる。つまり、照明のスイッチは入っているか入っていないかのいずれかの状態しかなく、また猫は生きているか死んでいるかのいずれかの状態でしかないのと同様に、ビットは0か1のいずれかの状態しか取り得ない。

 しかしキュービットは違っている。キュービットは重ね合わされた状態を保持できる、つまり、古典物理学の世界では決して存在し得ない、0と1の状態を同時に保持するという特殊な状態、すなわち量子状態を取り得るのだ。これは例えば、ソファーの右側と左側に同時に座ることができるようなものだ。

 そして、キュービットを観測するだけで、その状態が確定されるという、直感に反する状況が生み出される。つまり、キュービットを観測するだけで、その二面的な状態は自動的に消えてなくなり、古典ビットと同じように0か1のいずれかの状態に落ち着くのだ。

 こうした現象全体は重ね合わせと呼ばれ、量子力学の中核に位置付けられている。

 驚くほどの話ではないだろうが、キュービットがわれわれになじみのある電子メールや「WhatsApp」メッセージといった類のデータの送信に利用されることはないはずだ。しかし、キュービットの不思議な振る舞いによって、よりニッチな応用分野での大きな機会が開かれようとしている。

量子による(より安全な)通信

 セキュリティ分野は、研究者らがキュービットの持つ特殊な性質を武器にして開拓していこうと力を注いでいる分野の1つだ。

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