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量子インターネットとは、その可能性--今知っておきたいこと - (page 6)

Daphne Leprince-Ringuet (ZDNet UK) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2020-09-11 06:30

 ちなみに、GoogleやIBMが現在達成している最先端の量子コンピューターの実装は、およそ50キュービット程度となっている。この程度では、量子力学の研究者らが取り組もうとしている問題を解決する上で必要となる膨大な計算を実行できるだけの処理能力に遠く及んでいないのだ。

 一方、量子もつれ現象を使ってデバイス群を接続すれば、数千キュービットに相当するクラスターを作り出せる。多くの科学者にとって、こういった手段で実現されるコンピューティング能力を生み出すことが量子インターネットプロジェクトの究極の目標となっている。

量子インターネットでできないことは?

 とは言うものの当面の間は、われわれが現在ノートPCでやり取りしているようなかたちでのデータ交換に量子インターネットが使用されることはないだろう。

 汎用の、そしてメインストリームの量子インターネットを想像するには、向こう数十年(あるいはそれ以上)のテクノロジーの進歩を予想する必要があるとみられている。科学者らが量子インターネットの未来に思いをはせるほど、現在のプロジェクトの立ち位置から日常的なウェブ閲覧の方法との類似点を導き出すことが難しくなる。

 今日の量子通信研究の多くは、量子状態を活用するかたちでの情報のエンコード/圧縮/送信に向けた最適な手段を見つけ出すことに専念している。量子状態は、もちろんながら並外れた密度の高さで知られており、科学者らはノード1つで大量のデータをテレポートできると確信している。

 しかし、科学者が量子インターネットを通じて送信しようとしているこの種の情報は、電子メールの受信ボックスをオープンしたり、スクロールするということとはほとんど関係がない。実際のところ、このテクノロジーが目指しているのは、古典的なインターネットの置き換えではない。

 むしろ研究者らは、量子インターネットが従来のインターネットと併存し、より特化したアプリケーション用として使われるようになってほしいと願っている。量子インターネットは、古典的なコンピューターより量子コンピューターの方が高速に実行できるタスクや、現存する最高速のスーパーコンピューターでも実行が難しいようなタスクのために用いられるようになるだろう。

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